『モグラ ハンドブック』
飯島正弘・土屋公幸著。日本に生息する21種のモグラの仲間たち。
日本に生息しているのは、20種のトガリネズミ形目と、1種の外来種ハリネズミ目。その全種について、生息している現地での生態写真があるというのが、まず素晴らしいです。多くの図鑑は、動物園や標本の写真、下手するとただのイラストが載っているだけですから。
もっと素晴らしいのが、ほとんどの種の頭蓋骨および歯列写真が掲載されていること!頭蓋骨はまだしも、歯列写真がこんなに並んでいる本は非常に珍しい。モグラたちに限って言えば、世界的に見ても珍しいのではないかとおもいいます。めっちゃ貴重!
思わず見入ってしまいました。トウキョウトガリネズミ、歯もちっちゃい~♡ヒミズとヒメヒミズ、外見はそっくりだけど、歯はこんなに違うのか。アズマモグラとコウベモグラ、なるほど歯だけを見てもコウベモグラの方が少し強そうだ。ニホンジネズミ、なんというか、イメージ通りのごちゃごちゃした歯並びがオカシイ、等々。
1~2年前、何かの番組で、出演タレントたちは誰もモグラの大きさを知らず、若いアイドルが「猫くらい?」とまじめに聞いていたのを聞いて驚いたことがあります。「モグラ」は、名前の知名度こそ高いけれど、実体は全然知られていない、ましてモグラのほかの仲間たちは、どれほど知られているでしょうか。ごく一部の動物好きを除き、何も知られていないのではないでしょうか。
薄い小さな本ですが、情報量はすごいです。超おすすめです。
なお、日本国内に生息するハリネズミ目1種は「アムールハリネズミ」で、例によってペットが野生化したものです。エキゾチック・アニマルをペットとして飼うことは止めましょう。まして絶対に棄てたり逃がしたりしないでください。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『モグラ ハンドブック』
- 著:飯島正弘(いいじま まさひろ)・土屋公幸(つちや きみゆき)
- 出版社:株式会社 文一総合出版
- 発行:2015年
- NDC: 489(哺乳類)
- ISBN:9784829981337
- 76ページ
- カラー