安孫子三和『みかん・絵日記 特別編・・・第1巻』
人間語を話して、立って歩いて踊る猫
『みかん・絵日記』は、1987年~1995年、少女漫画雑誌『LaLa』に掲載。単行本は全14巻。1992年にはテレビアニメにもなった(私は見ていません。すみません)。
そんな有名なシリーズだし、昔は単行本をほぼ全冊持っていたはずなのだけど、紛失してしまいました。
正確には、あるところにマンガ単行本をまとめて貸与したのですが、知らないうちに全部処分されていたのです。今思い出しても悔しい。本を捨てる習慣が無い私はあくまで「貸しただけ」のつもりだったのに、本を取っておく習慣のない人は、読み終わった本は不要という認識だったようです。本を他人に貸してはいけません。
そんなことはさておき。
今、手元には『みかん・絵日記 特別編・・・第1巻』だけが残っています。
でもこの1冊だけでも十分感動できる名作であります。
みかんは、猫です。
猫なんですが、立って歩いて、人間語を話すことができるばかりか、字も書けちゃうというスーパーキャット。
本人(本猫)は「すこし賢いだけ」と言いますが、そんなレベルじゃない!
でも、やっていることは、猫なんですよね。
そのギャップがまた良かったりして。
私が、そして多分、もしうちの猫が読むことができたら、そうだそうだと頷いただろう部分。
それは、猫のシゴトとは、人を愛し幸せにすることだというくだりじゃないかと思います。
これは、「ねこまた・クラブ」に出てくる「ヨモさん」という超高齢猫の教えです。
ヨモさんはとても不思議な猫で、不思議な力の持ち主でもあります。ほぼ「ネコマタ」?
ヨモさんは、猫たちにに尊敬され、ヨモさんが開く集会には3桁もの猫たちが集まります。
集まった猫達にはちょっと秘密もあったりして。
でもそれは、読んでのお楽しみ。
猫たちは擬人化されていますが、猫たちの世界がよく描かれているとも思います。
ただ残念なのは、どうも著者は「猫は外に出す方が良い」の主張のようで。
猫がいない路地裏なんて寂しいとか。
お外から帰ってきたときの猫の笑顔が最高だとか。
人間の子どもでさえ、自由に外を歩きにくい世の中です。
猫は完全室内飼い(完全敷地内飼い)してください。
どうか、それだけは是非お願いします。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『みかん・絵日記 特別編・・・第1巻』
- 著:安孫子三和
- 出版社:白泉社
- 発行:2008年~
- NDC:726(マンガ、絵本)
- ISBN:9784592888116
- 317ページ
- 登場ニャン物:みかん(トム)、ミズイロ、ヨモ、クロブチ、カルマ、にゃんぺし、タマ、伽羅(きゃら)、ココロ、、ニケ、他多数
- 登場動物:-
目次(抜粋)
水色の猫
ねこまた・クラブ
テレビ大明神
きのこ110番
如月パーティー
雪パラダイス
路地裏探検隊
ハートのココロ
れんげ三輪車
みかんの花咲く丘
あとがき みかんちゃん
解説――群ようこ