赤川次郎『三毛猫ホームズのびっくり箱』
短編集。
三毛猫ホームズ、警視庁捜査一課刑事の片山義太郎、妹の晴美、目黒署刑事で自称晴美の恋人の石津の4名が大活躍のシリーズ。
『三毛猫ホームズのびっくり箱』
20年前、「箱」の中で、「箱」を開けたらしい男が死んだ。
自然と心臓が止まったのか、それとも、故意の殺人だったのか?
妻は誰かに殺されたと信じているようだが。
『三毛猫ホームズの名演奏』
名門オーケストラで、ひとりの新人指揮者がデビューしようとしていた。
その最中に殺人が?
『三毛猫ホームズのパニック』
8階建てビルの新築パーティーで、手抜き工事が見つかり、そこへ地震が。
傾いたビルの中で、ビルオーナーが殺されていた?
『三毛猫ホームズの幽霊退治』
石津は、ばったり古い友人に出合う。
石津の職業が刑事と知った男は、なんと幽霊退治を依頼してくる。
『三毛猫ホームズの披露宴』
花婿は、昔から頭の切れる「エリート道まっしぐら」タイプの男だった。
花嫁は、まだ十代の若さながら数億の資産を相続した大金持ちだった。
当然ながら(?)、殺人事件がおこる。
エリート君に対する嫉妬からか、あるいは、美少女の財産を狙ったものか?
『三毛猫ホームズの宝さがし』
宝探しに没頭して職までなくし、一家離散の憂き目にあった男。
その男が探していた「宝」とは、本当は何だったのか?
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短篇なので、どの話も、あっさり殺され、あっさり犯人が判明します。
猫のホームズが事件解決に毎回大活躍はいいけど・・・
ちょっとギャーギャー鳴きすぎじゃない?(苦笑)
私の中では、猫が「ギャー」と鳴くとすれば、シーズン最中のバトル時くらい。
聡明で爽やかな女の子・ホームズが、はしたなくもギャーギャー鳴くのって、なんか私のイメージと合わないんですよね(汗)
フーとかシャーなら全然不自然じゃないんですけど。
それとも、ホームズって、シャムが混ざっているんでしょうか。
シャムのハスキーボイスならGyaとG音で表現されるのは分からないでもないのです。
ついでに書いちゃうと、
フィクションの物語だし、猫が探偵という設定である以上、仕方ないとはわかっていますけど、
飼い猫のホームズを、危険な場所に平気で連れ出して自由行動させ、危険人物とも平気で会わせる人間達。
知らない場所でホームズが行方不明になっても、「どこへいっちゃったのかしら!」と怒ることはあっても、心配しない片山兄妹。
あのぉ、今の時代でこんなことやったら、たとえ小説の中の架空世界であったとしても、猫虐待で怒られそうなんですけど!
おはなしと分かっていても、ヒヤヒヤします・・・
(1988年2月1日)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『三毛猫ホームズのびっくり箱』
- 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
- 出版社:光文社 カッパノベルズ
- 発行:昭和59年(1984年)
- NDC:913.6(日本文学)短篇推理小説集
- ISBN:4334025358
- 220ページ
- 登場ニャン物:ホームズ
- 登場動物:
目次(抜粋)
- 『三毛猫ホームズのびっくり箱』
- 『三毛猫ホームズの名演奏』
- 『三毛猫ホームズのパニック』
- 『三毛猫ホームズの幽霊退治』
- 『三毛猫ホームズの披露宴』
- 『三毛猫ホームズの宝さがし』
※マンガになっていました。ホームズの特徴的な模様がちゃんと描かれているのがすばらしいですね。