赤川次郎『三毛猫ホームズの証言台』

仕事を失ったシンママは、子供たちを食べさせるために、・・・。
何でもする覚悟だった。
道徳だの法律だのは、子供たちの空っぽの胃を満たしてから考えること。
今、一番大事なことは、子供たちに食べさせること。
その男は、ある証言さえしてくれれば、1年間も彼女と子供たちを養ってくれるといった。
彼女が迷うはずはなかった・・・
一方、片山は、例によって?児島叔母さんにお見合いを押し付けられていた。
ちょっと早く付いてしまった義太郎と妹の晴美は、ホテルのカフェでコーヒーとケーキなどを食べていたが、たいてい遅れてくる叔母が、今日は早くやってきて、「義太郎ちゃんは、いつも『堅苦しいのはいやだ』って言ってるから、今日は気軽な感じにしたの」
で、その相手とは、先ほど片山たちのオーダーをとっていった、感じの良いウェイトレスだった。
そのお見合い相手の加賀凉子は、しかし、そのすぐあとに、車にはねられそうになった女性を助けようと道路に飛び出し、怪我をしてしまう。
そして、縁が思わぬ縁を呼び、思わぬ人のつながりができて、
そして、
また、
片山一行はトラブル及び殺人事件に巻き込まれるのだった・・・
* * * * *
三毛猫ホームズシリーズ、この作品で51冊目!
やはり50の大台を超えると、変化が出てくるのでしょうか。
私から見て、大きな?ポイントが2つありました。
一つ目は、にゃんといっても、ホームズ以外の猫ちゃんの登場。
今までも猫がでてくる話はありましたけれど、今回ほどしっかりと、長々と出たことはありません。
その子は42ページで早くも出て来ます。
まだ「子猫」と言っていいような三毛猫で、名前はパリ。フランスの花の首都と同じ名前です。
義太郎のお見合い相手の姉妹が飼い始めた猫です。
ホームズもパリちゃんを気に入ったようで、さっそく、なにやら教えこんだり。
そして、このパリちゃん、最後までずっと出演し続けます。
ホームズほどではないといえ、ちょこっと活躍さえします。
ホームズ以外の猫(や動物)が、これほど長く登場するなんて!
いいぞ、いいぞ♪
この調子で、どんどん猫を出してくださいな!
そして、二つ目は。
なんか、義太郎と凉子、いい感じ?
女性恐怖症の義太郎にしては、凉子とはふつうにしゃべっているし。
思わせぶりな最後だし。
もしかして、この二人、付き合うのでしょうか?
もし義太郎に正式な彼女ができるのなら、晴美と石津の関係も、(やっと)進展するかもしれないし、ですね~
そして、ホームズにもパリちゃんという弟子が!
にゃあんて、・・・・
私の空想は勝手にどんどん広がってしまいます。

赤川次郎『三毛猫ホームズの証言台』

ホームズも、パリも、三毛猫のはずなんですが・・・
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『三毛猫ホームズの証言台』
- 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
- 出版社:光文社 カッパノベルズ
- 発行:2016年
- NDC:913.6(日本文学)推理小説
- ISBN:9784334077334
- 245ページ
- 登場ニャン物:ホームズ、パリ
- 登場動物:-