赤川次郎『三毛猫ホームズの危険な火遊び』
狂言誘拐のつもりが。
片山義太郎、警視庁捜査一課の刑事。
片山晴美、その妹で無職、性格的には兄義太郎以上に刑事向き?
石津刑事、そんな晴美にぞっこん恋愛中。
そして、ご存知、三毛猫のホームズ。人間より優れた頭脳と、猫ならではの能力で、難事件解決を常にリードしている猫。
片山一行は、デパートの閉店セールにでかけ、それぞれ思いがけない人に会う。
力ある国会議員の愛人と、議員秘書。
伝説的元スリと、その娘。
また、ある場所で、片山と石津は、偶然指名手配中の犯人に遭遇して、見事に逮捕。
その若い男は、殺人事件の犯人だった。
殺人行為は認めているのに、なぜか、その動機については沈黙したまま。
男には、高校生の妹がいた。
兄に良い弁護士をつけて、少しでも罪を軽くしてあげたい。が、高校生の身で、弁護士を雇うお金なんてない。
実父はすでに死亡、実母は再婚していて、兄のために大金を出してくれるような義父ではなかった。
そんな両親からお金を引き出すためには・・・
幼い頭で必死に考えて、思いついたのが、狂言誘拐。
自分が誘拐されれば、いくらあの両親とて、身代金くらい出すだろう。出せる金額におさえておけば。
幸い、協力者も現れた。
あとは腹をくくって演技するだけ!
・・・だったはずなのに。
いざ実行の当日。想定外の出来事が重なって、誘拐されたのは、議員の愛人の方!?
ドッタバッタ、ドッタンバッタンの、行き違い・想定外の繰り返し。
殺人犯や元スリ、プロの殺し屋、腹黒議員に有能な若秘書、孝行娘に兄想いの妹、人間社会の上から下まで、絡まってもつれてこんがらがって、相変わらずの赤川ワールド。
ホームズたんの活躍の場が、シリーズが進むにつれ、どんどん減ってきているのが残念。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『三毛猫ホームズの危険な火遊び』
- 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
- 出版社:光文社 光文社文庫
- 発行:2009年
- NDC:913.6(日本文学)推理小説
- ISBN:9784334745394
- 324ページ
- 登場ニャン物:ホームズ
- 登場動物:-