赤川次郎『三毛猫ホームズのフーガ』

赤川次郎『三毛猫ホームズのフーガ』

 

なぜか、ちょっとずつズレた連続殺人?

レストラン内に炸裂音がひびき、男が倒れて死んだ。
当然、撃たれて死んだのだと誰もが思ったのに、男に弾痕はなく、死因は毒殺。
しかも、人々は銃声を聞いている、窓ガラスに穴は開いている、どう見ても銃が発射されたことは間違いないのに、弾がどこにも見当たらない!?

また、男が殺された。
密室状態の部屋で。
その部屋には猛毒のビンが残されていた。
なのに、男の死因は毒殺ではなく、刺し傷!?

何故か、死因と、現場に残された凶器が一致しない事件が続く。

ところで、フーガという音楽形式をご存知だろうか。
同じメロディーが、少しずつずれながら、高音部と低音部とか、異なった楽器でとか、あるいは、楽器と声楽で、というように、いくつもの声部で編み重なるようにつながっていく作曲技法である。

バッハの名曲「トッカータフーガ」を聴きながら、ホームズたちは、まるでフーガみたいな連続殺人事件に頭を悩ませる。
「殺人」という主テーマが繰り返されているのに、凶器がちょっとずつズレている・・・!

調べているうちに、ある若い女性にたどりつく。
彼女は数か月前に自殺していた。
その女性の正体がわからない。
記憶喪失で、過去の人生をきれいさっぱり忘れていたからだ。

それなのに、ある日とつぜん、自殺した。
彼女の死と、今回の連続殺人事件に、どんな関係があるのか?
誰が、どのように、かかわってきているのか?

フーガのように複雑に絡み合った事件を、三毛猫ホームズが謎解く☆

赤川次郎『三毛猫ホームズのフーガ』

今回も、ホームズじゃないですよね。なぜホームズをちゃんと描いてくれないんだろ?ちなみに、横に写っているのはうちの猫くるるんです。私の白髪頭とかではありませんので念の為。

ちょっと強引というか、盛りすぎている感は否めませんが(汗)
人間って、そんなに簡単に人を殺したりはしないし、
オーケストラじゃないのだから、それほど息が合うこともないと思うし。
また、身近な人が死んでいるのに、あまりに軽率な人間が多すぎる気がするし。

でも、ストーリーとしては、あいかわらず面白いです。

ホームズちゃんへ。
そんなに人間に都合よく使われなくてよいのよ。
猫は自由気ままに、好きなことだけをしていれば良いのに。

(1992年1月11日)

三毛猫ホームズシリーズ

赤川次郎『三毛猫ホームズのフーガ』

赤川次郎『三毛猫ホームズのフーガ』

赤川次郎『三毛猫ホームズのフーガ』

赤川次郎『三毛猫ホームズのフーガ』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『三毛猫ホームズの』

  • 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
  • 出版社:光文社 カッパノベルズ
  • 発行:1991年
  • NDC:913.6(日本文学)推理小説
  • ISBN:4334029582 光文社文庫=9784334719739
  • 196ページ
  • 登場ニャン物:ホームズ
  • 登場動物:-

 

 

著者について

赤川次郎(あかがわ じろう)

福岡県福岡市博多区出身。1996年度より金沢学院大学文学部客員教授。父親は元満洲映画協会、東映プロデューサーの赤川孝一。1976年「幽霊列車」で第15回オール讀物推理小説新人賞、1980年『悪妻に捧げるレクイエム』で第7回角川小説賞、2006年第9回日本ミステリー文学大賞、2016年『東京零年』で第50回吉川英治文学賞を受賞。多作で知られ、2015年には580冊を突破、累計発行部数は2015年時点で3億3000万部を超えている。三毛猫ホームズシリーズ、三姉妹探偵団シリーズ、幽霊シリーズ、吸血鬼シリーズ他、シリーズ物も多い。

三毛猫ホームズシリーズ

(著者プロフィールはWikipedia他からの抜粋です。)


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赤川次郎『三毛猫ホームズのフーガ』

6.9

猫度

4.0/10

面白さ

7.0/10

猫活躍度

7.5/10

読みやすさ

9.0/10

猫好きさんへお勧め度

7.0/10

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