赤川次郎『三毛猫ホームズの犯罪学講座』
華やかな女子大に渦巻く陰謀!
女子学生会館の非常階段から男子学生が落ちて死んだ。
そこにはF学園大学の女子大生たちが住んでいた。
そして偶然、そのF学園大学で、警視庁捜査一課長の栗原警視が、講義を依頼されていて、部下の片山義太郎刑事も雑用係でお供していたが、栗原警視が直前にけがをしてしまい、なんと、片山が急遽、代理講義をするハメに!
そう、片山義太郎は、刑事なのに、血を見ると貧血を起こす、高所恐怖症、そして、女性恐怖症でもあった。
ずらり並んだ女子大生を前に講義なんて、義太郎にとっては恐怖そのもの!
しかも、その最中に女子大生の死体が天井から・・・
三毛猫ホームズシリーズの第一作が、女子大を舞台にした事件だった。
今回もまた、女子大が舞台(別の女子大だが)。
ふつうの男なら大喜びしそうな設定。
しかし、義太郎は冷や汗をかきっぱなし。
しかもその上、その大学には、誰もが振り向くとびっきりの美人女子大生がいた!
そしてもちろん、その美人女子大生が、なぜか義太郎に積極的に近づいて・・・
ドタバタとコミカルな中に、推理小説としての要素もしっかり盛り込まれた一作。
シリーズの中でも、プロット的に、私が好きな作品だ。
そして、もちろん♪
ホームズ、今回も要所要所で大活躍!
猫というより、ほとんど番犬?
あわやというところで、今回も、何回も人間を救う。
悪い奴に「ギャー」ととびかかって引っ掻く。
でも、ホームズちゃん。
犯人に刺されないように気を付けてね、といいたくなる。
いくら猫が敏捷だとはいえ、武器を持った人間を襲うのだから。
(1991年6月1日)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『三毛猫ホームズの犯罪学講座』
- 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
- 出版社:光文社 カッパノベルズ
- 発行:1991年
- NDC:913.6(日本文学)推理小説
- ISBN:4334029213 光文社文庫=9784334719005
- 259ページ
- 登場ニャン物:ホームズ
- 登場動物:-