赤川次郎『三毛猫ホームズの傾向と対策』
K大受験の関係者がつぎつぎと・・・
片山義太郎、警視庁捜査一課の刑事、独身、女性恐怖症・高所恐怖症・血を見ると貧血をおこす!
妹の晴美、本職はカルチャースクールの受付嬢なのに、いつも兄にくっついて歩き事件に顔を出す。
目黒署の石津刑事は、そんな晴美にぞっこんで、いつも晴美に付き添い、つまり、義太郎ともいつも行動を共にしている。
そして、もちろん、主役のホームズ。三毛猫。雌。誰よりも鋭い知能、鋭い勘、鋭い観察力で、頼りになる用心棒でもある。
そんな片山家、といっても安アパートだが、その狭苦しいところへ、親同士の友人の娘というのがやってきた。
K大を受験するため、単身東京に出てきたのである。
なのに。
つぎつぎと不思議な事件がおこる。
殺人事件がおこる。
行方不明事件がおこる。
入試にかかわる疑惑が出てくる。
そして、もちろん、恋愛事件(?)もおこる!
* * * * *
大学というのは、不思議な場所である。
教える側、教わる側、彼らをサポートする側・・・
あれほど多くの人間が出入りしていながら、閉ざされた世界でもある。
それら象牙の塔の中で、誰が何をしているのか、外部には漏れてこない。
純粋に研究に没頭する教授。
それより金儲けを企む教授。
教授の椅子を狙う助教授。
教授の妻を狙う助教授、。
大学に受かったらおおいに勉強しようと頑張っている受験生。
大学に受かったら思い切り遊ぼうと思っている受験生。
大学に受かるためならなんでもする受験生。
ホームズ、猫に大学受験なんてモノが無くてよかったニャア!
(1992年10月2日)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『三毛猫ホームズの傾向と対策』
- 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
- 出版社:光文社 カッパノベルズ
- 発行:1992年
- NDC:913.6(日本文学)推理小説
- ISBN:4334029957 光文社文庫=9784334720711
- 215ページ
- 登場ニャン物:ホームズ
- 登場動物:-