ペトロヴァ『ファット・キャット・アート』

副題『デブ猫、名画を語る』
画:スヴェトラーナ・ペトロヴァ&ツァラトゥストラ(猫♂)。
内容は、表紙にかかれていること、そのまんま。
巨大なデブ猫が、名画の中にまぎれこむ!?
ミケランジェロの『アダムの創造』、フェルメールの『牛乳を注ぐ女』、クリムトの『接吻』、ラファエロの二人の天使・・・・・・古今東西の絵画の中に鎮座するのは、茶トラのぽっちゃり猫、ツァラトゥストラ。真実の美術史がここに明かされる!
茶トラの雄には大きな猫が多い、これは、猫好きの常識。
そういえばおまたたかこ『おおねこさん』も、茶トラの男の子でした。
古くは、山東京山(文)・歌川国芳(絵)の『朧月猫の草紙』五編のはじめの方に出てくる、玉という名の「珍しき大猫」、大きさは普通の猫の三倍、重さは二歳児と同じくらいもあるとされているが、その子も「赤ぶちのをねこ(=雄猫)」。
そして、うちのトロとちびまる太も。
トロは最高時8.3kgにまで達したことのあるデブ猫。
ちびまる太は、体重こそ6kg半ばまでしか増えませんでしたが、体長・肩高ともトロを超えていた大型猫。
この本に出てくるツァラトゥストラ君も、でっぷり感たっぷりに描かれています。さわればいかにも柔らかそう。くたっとした感じもいかにも茶トラ雄らしくてすばらしい。
古代から現代までの、超有名絵画に、そのツァラトゥストラ君が紛れ込んでいます。
紛れ込む?
いえ、堂々と乱入して、主役の場を奪い取っています。
「モナリザ」の微笑の謎。なんだ、こういう理由だったのね!これならあの、あまりに有名な微笑も、たちまち理解。

ペトロヴァ『ファット・キャット・アート』
そして。
私にとって、一番の噴飯絵はこれ。ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングル「皇帝の座につくナポレオン1世を王座にするにゃんこ」

ペトロヴァ『ファット・キャット・アート』
だって~~
ナポレオンは、知る人ぞ知る、大の猫嫌い!!
猫を見ただけで脂汗ダラダラだったとか。
その様子は、猫嫌いというより、猫恐怖症といってよいレベルだったそうな。
その、ナポレオンの膝に、こともあろうに、こんな巨大なにゃんこが乗っている!
乗っているだけでなく、ふんぞりかえって、ナポレオンよりはるかに目立っている!
ナポレオンにとっては、恐怖だ~~恐怖以外の何ものでもにゃい!!

ペトロヴァ『ファット・キャット・アート』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ファット・キャット・アート』
デブ猫、名画を語る
- 著:スヴェトラーナ・ペトロヴァ&ツァラトゥストラ(猫♂)
- 訳:喜多直子(きた なおこ)
- 出版社:株式会社エクスナレッジ
- 発行:2017年
- NDC:727
- ISBN:9784767822990
- 304ページ
- カラー
- 原書:Svetlana Petrova and Zarathustra the Cat “FAT CAT ART:Famous Masterpieces improved by a ginger Cat with Attitude” c2015
- 登場ニャン物:ツァラトゥストラ
- 登場動物:
目次(抜粋)
ツァラトゥストラとわたし
ツァラトゥストラはかく語りき
古代から中世の絵画
イタリアのルネサンス期の絵画
北ヨーロッパのルネサンス期と16世紀の絵画
17世紀のオランダ絵画
17世紀のオランダ静物画
17世紀のフランドル絵画
17世紀から18世紀のスペイン絵画
17世紀から18世紀のイギリス絵画
18世紀から19世紀初頭のフランス絵画
19世紀のアメリカ絵画
18世紀と19世紀のロシア絵画
19世紀の日本絵画
19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパ絵画
20世紀初頭のロシア絵画
20世紀から現代のヨーロッパと新世界の絵画
感謝のことば

うちのデブ猫、トロ。