石田卓夫『猫のエイズ』
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猫のひとつの病気について、とことん書かれた本。
この本、ネコの由来に関する記述に少々疑問を感じる点があるが・・・・そのことは「ニムラブス(残念ながらHP閉鎖)」のコナさんも指摘されているから、私だけの疑問ではなかったようだ・・・・なにしろ、ネコの病気、それも“猫エイズ” というひとつの病気だけに焦点を絞って、まるまる1冊の本が書かれたのだから、それだけで価値があると思うのだ。
このような本が他の病気についても次々と書かれたら、我々猫愛好家にとってはどれほど嬉しいか。
せめて、FeLV、FIP、口内炎、結石などは1冊ずつ本がほしい。絶対に即買うから!
で、この本は一般素人向けにやさしく書かれた本である。
新書版で値段も660円と手頃だから、エイズキャリアでない猫の飼い主も、基礎知識の一環としてぜひ読んでほしい。
キャリアネコと暮らしている飼い主には必読の書だろう。
とくに第二章「エイズとはどんな病気か」、第四章「エイズウイルスに感染した猫の飼育とその管理法」などには教えられることが多い。
この本を読んで、エイズキャリアの子猫を拾ってしまっても、あまり恐れることはないと思うようになった。
キャリアでなくてもうちのおつうのように、様々な病気にかかって何回も死にかけた子がいる。
その一方、私の友人のねこのように、キャリアであっても、現在推定9~10歳(元ノラなので正確な年齢は不明)、元気はつらつと暮らしているねこもいる。
キャリアネコに対する偏見をなくすためにも、広く読んでほしい本だ。
(2002.7.28)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『猫のエイズ』
FIV感染をめぐって
- 著:石田卓夫(いしだ たくお)
- 出版社: 集英社新書
- 発行: 2001年
- NDC : 645.6(畜産業・家畜各論・犬、猫)
- ISBN : 4087200779 9784087200775
- 198ページ
- 登場ニャン物 : -
- 登場動物 : -
目次(抜粋)
- プロローグ
- 猫のエイズに感染したツシマヤマネコを発見
- 猫のエイズウィルスの発見
- 第一章 猫のエイズ発見まで
- 猫のウイルス研究の歴史
- ウィルスとは何か
- 第二章 エイズとはどんな病気か
- エイズと免疫
- 猫のエイズウィルスの感染から発病まで
- 第三章 猫のエイズと他の動物のエイズ
- 猫のエイズウィルスは人間に感染するのか
- エイズウィルスの進化
- その他
- 第四章 エイズウィルスに感染した猫の飼育とその管理法
- 他の猫への感染をいかにして防ぐか
- 二次感染の予防
- その他
- 第五章 エイズの猫とその保護者たち
- エイズの猫を保護する素晴らしい人たち
- さまざまな形の人と動物の関係
- その他
- エピローグ 猫のエイズが現代社会に警告するもの
- あとがき