『君と一緒 ご長寿猫に聞いたこと』
副題:『18歳以上の猫103(ひゃくみゃー)匹と家族の物語』。編:ご長寿猫研究会、監修:野澤延行。
いま、私の愛息トロは20歳です。人間でいえば100歳のお爺ちゃん?
さすがに年齢には勝てないといいますか、腎臓機能が衰え慢性口内炎や関節炎も悪化の一方で、みるからにヨボヨボ(涙)。あまりに危なっかしいので、今はアイリスオーヤマ社の犬用サークルLサイズの中で暮らしてもらっています。
当然ながら、高齢猫との暮らし方や介護の仕方は気になります。みんな、どうやってお世話しているんだろう?
そんなときに、ぴったりな本が、これ。『ご長寿猫に聞いたこと』。
この本はタイトルにある通り、18歳以上の猫103匹について、そのご家族にアンケートをお願いして、猫との出会いから暮らしぶり、そしてケアの方法などについてのお答えをまとめたものです。
今回のアンケートの対象とさせて頂いたのは、生きている、無くなっているを問わず、2016年4月時点で18歳になっている猫で、皆さんには実に100を越える設問に答えていただきました。
「はじめに」 page4
獣医師ではなく、ペットフードメーカーでもなく、一般飼い主のご家族に聞いている、というのが最大のポイント。だって、人間だってそうでしょ?「医学的に正しい生活」を頭では理解していても、つい甘いものを食べすぎちゃったり、塩をかけすぎちゃったり、夜更かししたり、運動しなかったり。だって、その方が楽しいから。そして、楽しく毎日を暮らすことこそ、ある意味、最高の健康法?!
猫だって、きっと同じ。もちろん、獣医学的に良い生活を、出来る限り与えてあげたい、それは飼い主の義務でもある、けれども・・・。
長寿猫の秘訣は、きっと、それだけじゃないのでは?もっと大切なものがあるのでは?
もっと大切なもの、それはきっと、生活環境。人間家族をも含めた、毎日の暮らし方。
長寿猫は、どんな暮らしをしているの?
どうすれば、18歳を越えて長生きしてくれるの?
18歳を越えた猫たちと、さらに長く幸せに暮らすためには、みんな、どんな工夫をしているの?
ストレスを溜めないコツは?
何歳くらいで「歳を取ったな」と感じたか?それはどんな様子から?
どんなときに(どんな様子がみられたら)病院へつれていく?
老猫の、投薬のコツや、トイレの工夫、運動、シャンプー、その他は?
意外だったのは、持病の有無。なんと56.3%と半数異常の猫たちに持病がありますが、それはつまり、43.7%と半数近い猫たちは病気知らずということでもあります。私の予想より、ずっと健康!もともと体が丈夫な猫たちだから18歳を越えて長生きしているのでしょうけれど、それにしても立派です。
翻ってうちのトロといえば。何回も怪我で病院のお世話になったこと以外にも。
尿路結石(ストルバイト)、膀胱炎、慢性膵炎、口内炎/歯肉炎、粟粒性皮膚炎、慢性関節炎、腎臓の数値も当然のように悪い、最近は貧血も指摘され・・・(涙)
持病無しな長寿猫さんがうらやましいです。
ああ、でも。
うちのビク嬢は、病気知らずでした。17歳3か月で行った血液検査では、年齢の割には良い数字と褒められたほどでした。
なのに、そのわずか半年後、急に不調な様子を見せ始め、17歳11か月で旅立ってしまいました。あと1ヶ月で18歳のご長寿猫でした。
健康だからと油断はできません。
その一方で、複数の持病があっても、トロのように、20歳を迎えられる猫もいます。
その差は、コツは、ヒントは、・・・
多頭飼いの家で、そろって長寿猫というケースも多いそうです。
例えば、遠山さんのお家は三匹、サヴォイ(22歳)、シルヴィー(21歳)、ティッタ(20歳)と、揃ってご長寿で、「猫はそのくらい普通に生きるものだと思っていました」と言うほど。
page28
揃って長寿の多頭飼い猫たちが全員血縁関係ならそういう血筋だろうと納得しやすいものの、そうではなく、赤の他猫どうしなのにそろって長寿なケースもけっこう多いそうです。
ということは、やっぱり飼育環境ですよね。そのお家の飼い方が理想的だから、どの猫も長寿を全うできているということ。すばらしい。
この本を読んだからといって、愛猫がたちまち長寿猫となれるわけではないでしょう。持って生まれた体力等の影響も大きいと思われます。
でも、勇気づけられる本ではあります。私も頑張ろうと思わせられる本です。ご長寿猫がこんなにいるんだと知るだけでも、うちの子もぜひ!と奮い立たせられます。
今の我が家の家族構成は、トロ20歳、ハナ14歳、お栄9歳、シロロ6歳、くるるん6歳、虎太郎1歳。全員保護猫なので、血筋は不明です。長寿家系の猫たちであることを祈るばかりです。
私ももっと勉強するから、愛猫たち、長生きしてね!
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『君と一緒 ご長寿猫に聞いたこと』
18歳以上の猫103(ひゃくみゃー)匹と家族の物語
- 編:ご長寿猫研究会
- 監修:野澤延行(のざわ のぶゆき)
- 出版社:株式会社 日貿出版社
- 発行:2016年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:9784817082244
- 159ページ
- カラー
- 登場ニャン物:多数
- 登場動物:-
目次(抜粋)
監修者:野澤延行より読者の皆さんへ
はじめに
今回のアンケートにご協力頂いた皆さん
(※注!以下、抜粋)
パート1 君のこと教えて 名前から家族まで、ご長寿のキホン
君のお名前は?(名前について)
男の子?女の子?(性別について)
君の猫種は?(猫種について)
◎ご長寿猫との出会いは様々!
●猫の平均寿命が延びたわけ/猫の去勢
●猫の性格
●猫の多頭飼い
ほか
パート2 君の好きなものはなに? 食べ物から、お水、トイレ、ブラッシングまで。
君のご飯はなに?(普段の食事について)
君のスペシャルご飯はなに(嗜好品・好物について)
そのひと工夫が大事!ご長寿猫のお水事情
●ご長寿猫のトイレについて
ほか
パート3 君のお気に入りから嫌いなもの お散歩、嫌いなこと、健康チェックからトラブル、そしてストレスまで
お散歩はする?(散歩について)
どんな暮らしが好き?(住環境について)
ストレスを溜めないコツはある?(猫のストレスコントロールについて)
◎アンケートから見えてきた「ご長寿猫の理想的な環境」
ほか
パート4 大好きな君へ 10歳からの体調の変化、ケア、看取り、ペットロス、猫への感謝まで
君はどんな子だったの?(0歳から1歳について)
具合の悪いところはある?(持病について)
モノは噛めてる?(歯について)
君の赤信号はなに?(病院に連れて行くタイミングについて)
●延命治療を含む治療の判断について
◎君に会えてよかった
おわりに
(※注:以上、抜粋です。管理人がとくに気になる章タイトルを抜き出したものですのでご注意ください。)