野矢雅彦『ネコがおなかを見せるとき』

野矢雅彦『ネコがおなかを見せるとき』

 

現役獣医師が猫の飼育法について満遍なく解説。

少し古い本(1997年発行)ですが、今でも十分に為になることが書いてある本です。少し古いなと思う点は、猫の混合ワクチンが当時は3種だったが現在は3~5種があること(猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウイルス感染症・猫汎白血球減少症(以上3種の場合)、猫白血病ウイルス感染症、猫クラミジア感染症)、現在は血統書付き猫を買う人より保護猫を譲り受ける人の方が一般的に意識が高く、タダでもらった猫だからと差別するどころかますます大事に扱う人が増えていること、それから、現在では全国の猫飼育頭数が犬のそれを越えていること、くらいでしょうか(野矢先生は犬猫頭数が逆転するだろうと本文中で予測はしておられます)。

その一方で、獣医師ならではの情報もあります。たとえば、「第一章 ひげの先まで不思議なネコの体」の中の「ネコが水を嫌うのは先祖が砂漠生まれだから?」という項。

(前略)まずひとつにはイエネコの先祖であるリビアヤマネコの生息地が、水の少ない砂漠地帯であったことによるのではないかと考えられます。
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と、ここまではどの猫の本にも書いてあることです。誰だって知ってますよね。でもこの本では、続きがあるんです。

砂漠地帯は、降雨量が少なく、強い日差しに照りつけられる日々が続くので、そこに住む動物たちもその環境に適した体になっています。ネコもその例外ではなく、ネコの皮膚は体表温度が52度に達しないと暑さを感じませんし、水もあまり飲みません。
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あ、だからか!と思われた飼い主さん、多いのではないでしょうか。猫って、ストーブに近づきすぎて毛の先をチリチリと焦がしたりしますよね。なぜ焦げるまで気づかないんだろうと不思議に思う人も多いでしょうけれど、52度までわからないとなれば・・・ストーブガードを設置する等、人間側がもっと気を付けてあげなきゃ!と、理解できるはずです。

また、著者は猫を「飼う」のではなく「ともに暮らす相手」と考えてほしいと書いています。(第6章 ネコと幸福に暮らせる国にしよう>「飼う」と「ともに暮らす」の違い、page210~)。これは私も同じ考えです。だからこそ、コンテンツ名に「猫の飼い方」等ではなく、「同居の工夫」と名付けているのです。

ネコのような動物、自然界の最高傑作のひとつを、ヒトが「飼う」なんておこがましい。ともに暮らしてくれているのだとネコに感謝しお互いを尊重してこそ、お互いの生活は本当の意味で幸せになるのだと思います。(ネコに限らず生物すべてに言えることだとも思いますけれど。)

どうぞ本を読んで愛猫をもっと理解して、そしてお互いにもっと幸せに「ともに暮らして」ください。

野矢雅彦『ネコがおなかを見せるとき』

野矢雅彦『ネコがおなかを見せるとき』

野矢雅彦『ネコがおなかを見せるとき』

野矢雅彦『ネコがおなかを見せるとき』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『ネコがおなかを見せるとき』
動物のお医者さんが教えるあなたの猫を幸せにする方法 When Cats Bare Their Bellies:Hints from a top flight vet on how to keep your cat happy and healthy

  • 著:野矢雅彦(のや まさひこ)
  • 出版社:PHP研究所
  • 発行:1997年
  • NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
  • ISBN:9784569556888
  • 222ページ
  • モノクロイラスト(カット)
  • 登場ニャン物:-
  • 登場動物:-

 

目次(抜粋)

ネコからの信頼度チャート
この本を読まれる方へ

第1章 ひげの先まで不思議なネコの体
【図解】ネコの体を、とことんながめる
ネコは超音波で仲間と離す
ネコも「霜降り極上肉」の夢を見る
ほか

第2章 ネコのオキテ・ネコの子育て
【図解】ネコの波乱万丈な生涯を拝見
生後10カ月までの生長タイムスケジュール
「学ぶ=遊ぶ」の清心で毎日が大運動会
ほか

第3章 獣医が教えるネコ生活の心得
【図解】ネコの世話に必要な道具一式
ネコの性格も飼い主に似る
猫に嫌われないスキンシップのポイント
ほか

第4章 ネコごはんの栄養学
【図解】ネコの栄養に必要な食材・食事
離乳食の与え方が、将来の健康度を決める
ネコの好き嫌いは、根気次第で必ず治せる
ほか

第5章 動物病院に連れてきてください
【図解】こんな症状が出たら病院へ
動物病院の費用は本当に高い?
避妊手術には乳ガンを予防する効果が!
ほか

第6章 ネコと幸福に暮らせる国にしよう
【図解】ネコが好きな寝場所あれこれ
ネコは、基本的に人間よりも浮気性である
人間のことをネコはどう思っているのか
ほか

コラム Dr.ノヤのニャンニャンリポート
ネコたちの足にまつわる悲劇
ある慢性腎不全のネコの闘病生活
ほか

あとがき

著者について

野矢雅彦(のや まさひこ)

ノヤ動物病院院長。著書に『ネコのごきげんがわかる本』『イヌの言葉がわかる本』などがある。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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