甲斐扶佐義『京都猫町さがし』
町中のヒトコマを切り取った白黒写真集。
作者はこう書いている。
もともと、たいしたネコ好きでもなかった。それが、四冊目のネコ本を出すことになった。なぜ、そういうことになったか。不思議な気がする。
これは、京都の町中で見かけた猫達の写真集である。
白黒の色調に、京都の古い町並みがとてもしっくり合っていて、その中に大きく、あるいはポツンと小さく、猫が写り込んでいる。
主体は猫よりも町の風景だろう。
「哲学の道」の横には12~3ニャンの猫達が集まっていて、これを見ただけで私なぞは「歩きに行こうか」なんて考えてしまう。
猫達の写真の中に二枚ほど、猫除けの為のものが写っていて、それも面白い。
『この近辺の野良猫にエサをやるのは誰れ見付けたら許らさない』(原文のまま)なんていう貼り紙。
こんな貼り紙をしたのはきっと嫌われ者のガンコジジイだろうなあ、いや案外クソババアかもしれない、ここにはどんな猫達がいるんだろう、などと、つい想像をたくましくしてしまう。
(2002.8.11)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『京都猫町さがし』
- 著:甲斐扶佐義(かい ふさよし)
- 出版社:中央公論新社 中公文庫
- 発行:2000年
- NDC: 748 写真集
- ISBN:4122037468
- 173ページ
- 白黒
- 登場ニャン物: 多数
- 登場動物: -
目次(抜粋)
- 京都猫町さがし
- 私的ネコ道楽コース案内
- あとがき