北嶋廣敏『ちょっと怖くて不思議な猫の話』
『化けて踊って恩返し』。
江戸時代の化け猫談を集めたもの。
昔、日本では、猫は化けるとされていた。
江戸時代の作者達は、とても信じられないような化け猫の話を「それを実際にあった話として」数多く「記録」していた。
それらの「記録」によると、普通の猫は10年以上長生きすれば化けるようになるという。
狐との合いの子なら、それ以下の年齢で化け猫の域に達する。
典型的な化け猫話では、猫が老女を喰い殺し、骨を屋根裏や縁の下に隠して、老女に化け、そのままその家に住み続ける。 それを孝行息子が何かの拍子に見破って退治する、というもの。
なぜか猫が喰い殺すのは、常に老女。
赤ん坊や、老人でも男はおそわないらしい。
そして、化けるのも常に女の姿。
狐や狸は、人間はもちろん、他の動物や静物にまで化けるそうだが、猫は人間の女専門らしい。
それから、踊る猫の奇談。
なぜかかならず手ぬぐいが必要だというところが少々可笑しい。
そして、人語を話す猫。
これは、10年も長生きすればどんな猫でも本当は話せるそうだ。
あとは、猫の恩返し、狐・鼠・犬との奇話、怪猫あらかると、などなど。総計85話もの猫奇談が集められている。
(2002.12.16)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ちょっと怖くて不思議な猫の話』
- 著:北嶋廣敏 (きたじま ひろとし)
- 出版社:太陽企画出版
- 発行:2001年
- NDC:914(日本文学)随筆、エッセイ
- ISBN:4884663551 9784884663551
- 238ページ
- 登場ニャン物:江戸時代の化け猫たち
- 登場動物:-
目次(抜粋)
序章 江戸の不思議な猫たち
第1章 化ける猫
第2章 踊りをおどる猫
3章 ものいう猫
第4章 猫の恩返し
第5章 死者と猫
第6章 狐とつきあう猫
第7章 猫と鼠の奇話
第8章 猫と犬の奇話
第9章 怪猫あらかると
文献解題