渡部久『縁側ネコ一家ありのまま』

渡部久『縁側ネコ一家ありのまま』

 

動物屋によるネコフォトエッセイ

著者は自称「縁側ネコ研究家」。縁側ネコという名称は、著者が勝手につけたものだそうです。

その昔ネコは外飼いだった。夜、縄張りをパトロールしながら狩りをして過ごし、夜が明けるころ縁側の片隅で丸くなり、人が活動する時間には熟睡する。昔なら縁側で朝からお昼くらいまで、お爺さんやお婆さんばお茶を飲んでいた朗らかな時間に、ネコは縁側に来て寝ていた。ネコからすれば夜間、気の張った状態が続き、日が昇ると人の目のある縁側で休息する―――。
こんな働きをするネコに対して”縁側ネコ”というネーミングはぴったりでしょう。
page30-31

そんな著者の仕事は、世界中の変わった動物を扱う「動物屋さん」。山梨県山梨市のある里山の一角に、ウーパールーパー繁殖研究所を建てたことから、その土地を縄張りとしていた猫一家とかかわることになり、動物屋らしい研究心で、半野良のようなこの猫たちの観察をも始めたのでした。

渡部久『縁側ネコ一家ありのまま』

渡部久『縁側ネコ一家ありのまま』

里山に通いながら、畑も耕作し、猫たちや野生の動物たちを眺めているうちに、あることに気づきました。
著者の畑だけ、野生動物の被害がほぼ無い?

その土地では、つい数十年前まで、お蚕さんを育てていました。蚕を狙うネズミを駆除するため、各家に常に5匹から10匹ものネコが飼われていました。

そして、その頃は、現在のような野性動物の食害はまったくなかった、というのです。

著者は仮説を立てます。縁側ネコたちが、畑(なわばり)を野生動物たちから守っているのではないか?野性動物を追い払うだけでない、ネコたちは、土から始まる畑の連鎖のバランスを整える、すべての意味での番猫なんだなっと。

そして、本全体で、その番猫ぶりを証明していきます。

といっても、堅苦しい話はなにもありません。動物好きにとってはたまらない、興味深い動物話が続いていきます。

渡部久『縁側ネコ一家ありのまま』

渡部久『縁側ネコ一家ありのまま』

著者の縁側ネコたちは勇敢です。ネズミやモグラ、鳥などは当然として、シカのような自分たちよりはるかに大きな動物にも、ニホンザルのようなすばしこい動物にも、果敢に立ち向かっていきます。そして追い払ってしまいます。

そんな縁側ネコたちにも、苦手な動物はいます。私からみると、ちょっと思いがけない動物が苦手だったりします。

そして、著者はどんどん自信を深めていきます。縁側ネコこそ、里山と人里の境を守り、田畑を野生動物から守り、そうすることで生態系に良い影響を与える動物なのだと。そして、自説を公民館で講義したりもします。地域を救うのはネコだ!と。

うわぉ!ネコって、やっぱり、すンばらしい♪♪

と、ここで・・・著者に異議を唱えたいわけじゃないんですけれど。うちの外猫たち、野生動物たちとわりと仲良く共存しちゃっています・・・

でも、ネコ・トンビ・タヌキ・ハクビシン・キツネがうろうろしている畑に、ネズミやモグラはいません・・・と、いいたいところですが、カヤネズミはいくつも巣を作っていますし、モグラの穴はモコモコうねって畑を横切っています。しかし周辺の畑にくらべれば、被害はぐんと少ないのも確かです。サルさえこなければ、被害は無視できる程度しか出ません。

そう、サル群れさえ来なければね(涙)

サルといえば、敵は犬ですが、うちの犬のゴン、ツキノワグマにも平気で向かっていこうとする猛犬なのに、サルだけは尾を撒いて逃げてしまいます(苦笑)。

だからうちの畑の唯一かつ致命的な害獣は、サルなんです。サル群がくると、ジャガイモもサツマイモもナスもトマトもカボチャもエンドウマメもきれいになくなってしまいます。でもゴーヤやオクラなど、サルが食べない野菜もありますし、里芋やヤーコンなど土に深くできるものは、さすがのサルも掘りだせません。その里芋やヤーコンはシカが食べます。だからクズ芋は大切に保存しておいて、雪が深く餌の探しにくい時期には、シカさんたちに出してあげるので、シカの中には私になついてしまった子までいます。野生なのに。おっとっと、農家らしからぬ発言(大汗)

閑話休題。

この本は、動物が好きな方にはおすすめです。就農や家庭菜園を考えている人にもお勧めです。
でも一番のおすすめは、やっぱり、猫好きな方でしょう!猫という動物が、ノンビリ日向ぼっこで寝てばかりなようでいて、実はどれほど人の役に立っていた動物だったか、あらためて感心しちゃうこと間違いなしです。

写真もかわいいです♪

渡部久『縁側ネコ一家ありのまま』

渡部久『縁側ネコ一家ありのまま』

渡部久『縁側ネコ一家ありのまま』

渡部久『縁側ネコ一家ありのまま』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『縁側ネコ一家ありのまま』
ハハケルとまいけるとミカンたち

  • 著:渡部久(わたべ ひさし)
  • 出版社:株式会社 さくら舎
  • 発行:2017年
  • NDC:748(写真集
  • ISBN:9784865810998
  • 157ページ
  • カラー
  • 登場ニャン物:ハハケル、ジャクソン、マイケル、ハチ、ミケ、チャップリン、チャップ、モフ、アズキ、シロ、ミカン、リビア、伝説のハハ、トラ、ミミ、ポンタ、マサオ、ヒロシ
  • 登場動物:

 

著者について

渡部久(わたべ ひさし)

メキシコ・ソチミルコ野生アホロートル(ウーパールーパー)が絶滅の危機に瀕していることを知り、状況改善のため2014年にNPO法人日本ウパルパ協会を設立。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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