小池真理子『深夜のネコ』

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小池真理子『深夜のネコ』

 

自由気ままなエッセイ54篇。

小池真理子さんで、ネコがつく題名で、と、人をおおいに期待させるような本だが、残念ながら猫話は最後の20ページあまりしかない。だから、エッセイ集としては面白いけれど、猫本としてのお勧め度は高くはできません。

「愛したい願望」の章は、9行にもわたる愛猫の悪口で始まる。
「図々しくて、すばしっこくて、ヒトをヒトとも思わず・・・等々」といった具合。
しかしこの章と、次の章「愛しの猫は“ゴブ” 」(これは最終章でもある)との、この2つの章を読めば、小池さんの猫に対する深い愛情がよくわかる。

「死なれて一番悲しいのは、飼い猫。二番目が子供。三番目が亭主」という友人の言葉に頷きながら、
「(もっとも、子供がいないから、ウチの場合は二番目の項目に亭主がはいるのだが)。」 といい、
「猫を愛している人間なら誰でも、似たようなことを考えた覚えがあるだろう」 という。

この次はぜひ、まるまる一冊、猫エッセイの本を書いていただきたいですね。

(2002.7.28)

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『深夜のネコ』

  • 著:小池真理子 (こいけ まりこ)
  • 出版社:河出書房新社・文庫
  • 発行:1995年
  • NDC:914.6(日本文学)随筆、エッセイ
  • ISBN:4309405355 9784309405353
  • 256ページ
  • 登場ニャン物:トラ、ゴブ
  • 登場動物:-

 


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