奥森すがり『ねこ鍋』
副題『みちのく猫ものがたり』。
数年前にネットで大流行した「ねこ鍋」。
猫が土鍋にはいりこんで、くるりと丸くなって寝る、それだけのことなんですが、それが妙にかわいい。
丸い土鍋に、丸い猫。岩手の農家は、どこまでも日本的でなつかしい。床に置かれた普通の土鍋に、普通の日本猫の子猫達が、なぜか次々と入り込んでは、丸くなって寝てしまう。その愛らしさ。無防備さ。中には2ニャン3ニャンが折り重なっている土鍋も。
まずネットで流行して、それから小振りな写真集にまとまりました。本で見ると、モニターで見るのとはまた違った愛らしさがあります。
しかし・・・
うちの猫達、誰一人、土鍋に入いってくれなんだ!
ええ、ええ、私ももちろんやってみたんです。日の当たる縁側に、部屋の隅の涼しい場所に、つまり家のなかあちこちに、あるだけの土鍋を並べて、猫達が入るのを待ちました・・・中にクッションを敷いても見ました・・・しかし何日置いてみても、誰もはいりませんでした(涙)
うちの猫達は、土鍋よりも、キャットタワーや、猫棚や、ムートンや、毛布を選んだのでした。でなければ、縁側や板の間にごろ寝。そう、夏でも冬でも入らず。真夏の盛りに土鍋なら、ひんやり涼しかろうと期待したんですが。
まあ、仕方ない。猫がはいってくれなくとも、土鍋は1年中活躍してくれています。本来の土鍋として。冬の鍋物はもちろん、夏でも、ジャガイモや人参を入れて茹でてすぐに火を止めて、バスタオルで包んでおけば、土鍋の保温力の良さ、暑い夏に煮込みの火を最小限に押さえられますからね。真夏のカレーは我が家では土鍋です。
さらに土鍋なら、レンジでも使えるし。オーブンでも使えるし。また、食器にもなります。小さい土鍋でうどんを煮て、そのままフーフー食べれば、皿洗いも土鍋ひとつだけで楽。洋食ならグラタン皿にもなるし。土鍋はとぉっても便利なのです。
だから、だから、うちの猫達が土鍋にはいってくれなくったって、別に・・・いいもんねーだ!ふん!何さ!
(2010.10.14)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ねこ鍋』
みちのく猫ものがたり
- 著:奥森すがり(おくもり すがり)
- 訳:姓名(ひらがな)
- 出版社:二見書房
- 発行:2007年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)写真集
- ISBN:9784576072067
- 94ページ
- オールカラー
- 登場ニャン物:たくさんの猫たち・子猫たち
- 登場動物:-