フォーグル博士『あなたのネコがわかる本』
副題:飼い主のためのネコの動物行動学。
写真が豊富な、わかりやすい猫学書。
開けば、まるで写真集を見ているよう。
気楽に読めますが、猫と暮らす上でのエッセンスはギュッと詰まっています。
飼育書としてもすぐれています。
たとえば、子猫の成長過程などは、大きな写真で丁寧に説明されていますから、赤ちゃん猫を保護してしまった場合など、役に立つでしょう。
また、大人猫の写真が多いのも、私としては好感です。
子猫を育てるページはもちろん子猫のオンパレードですが、それ以外のページは、大人猫の写真が多く使われています。
子猫偏重の本づくりは、私は好きじゃありません。
なぜなら、子猫時代なんて本当に短い!私たちが猫と付き合うとき、最初の数か月を除く、15-20年が大人猫なんです。
大人猫の期間の方が圧倒的に長い上、病気になりやすいのも大人猫(高齢猫)なんですから。
それに、いわゆる飼育書で、子猫偏重に作ってあると、初めて猫と暮らす人は「まず子猫からでなきゃ」とマインドコントロールされてしまう危険があります。
猫に不慣れな人こそ、おちついた大人猫からの方が飼いやすいケースが多いというのにね?
ちょっと面白いと思ったのが、以下の記述。
飼いネコはどう進化していくのか
飼いネコは、飼い主が毎日餌を与えてくれることを期待している。もはやハンターになる必要はなくなっている。そして、飼い主は、ネコがすべてにおおいて飼い主を頼ってくれることを喜んでいる。この人を頼るという習慣は、ネコの繁殖に人間が介入することによって、ますます強くなっていく。将来、ネコに狩りをする能力はなくなり、代わりに異常なまでの人間への依存性が発達することだろう。
page115
猫は「ツンデレ」な動物と言われています。
でも、うちの猫たち・・・
「どこがツンなのよ!デレデレでデレッデレなストーカー甘ったればかり!」
にゃのです。
今も膝には猫。ゴロゴロ喉を鳴らしながら
「なでて~なでなで~ねえったら!なでて~」
とうるさく私の手を舐めたり、お手手でちょいちょいしたりしてきます。
だから、片手で猫をあやしながらのタイピング。
そして、夜は全員が私のベッドに集まって寝ます。
体重3.5~7.5kgの8ニャン全員が布団に乗ったら、総重量約40kg!
10kgの米袋4つを毎晩体に乗せて寝るところを想像してみてください。
可愛いを通り越して、重いったらありゃしない!!!です(涙)
うちの猫達、すでに「進化した猫」のようです・・・?
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『あなたのネコがわかる本』
飼い主のためのネコの動物行動学
- 著:ブルース・フォーグル Bruce Fogle
- 監訳:加藤由子(かとう よしこ)
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発行:1993年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:4478860068
- 128ページ
- カラー
- 原書:”Know Your Cat” c1991
- 登場ニャン物:多数
- 登場動物:-
目次(抜粋)
はじめに
ネコを知るための基礎知識
人とネコの幸せな関係
子ネコ誕生のドラマ
子ネコの成長と発達
ネコの体の不思議と秘密
家畜化と品種改良の歴史
索引