柴田よしき『猫は密室でジャンプする』

猫探偵正太郎の冒険1
シリーズ3作目、今までの中で一番面白かった。
短編集だが、猫の視点から見た話と、人間の視点から見た話との両方があって、それぞれ作風が全然違う。
ストーリーも、より本格的なミステリーになっている。
しかも、正太郎はとても猫らしい、その自然さがいい。
こんな猫はいなだろ、なんて猫ミステリーものも多いけど、正太郎ならいそうな気がする。
【猫探偵正太郎シリーズ】
主人公の正太郎は、ペルシアもどきの雑種ネコ。ミステリー作家・桜川ひとみ宅に同居している。
桜川ひとみは、天然でお気楽な現代女性。これでミステリー作家が勤まるのかと心配になってしまうほど。正太郎の名前さえ、しばしば「クロちゃん」だの「タマちゃん」だの、適当な呼び名でごまかして平気である。
それに対し、正太郎は、日本語は完璧に理解し、文字も「まぐろ」くらいなら読めちゃう天才猫。人間顔負けの推理をして、殺人・殺猫事件の謎を解いてしまう。
(2002年4月10日)

柴田よしき『猫は密室でジャンプする』
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『猫は密室でジャンプする』
猫探偵正太郎の冒険Ⅰ
- 著:柴田よしき(しばた よしき)
- 出版社:光文社 カッパノベルス
- 発行:2001年
- NDC: 913.6(日本文学) 短編推理小説
- ISBN:4334074502 9784334737979(文庫版)
- 273ページ
- 登場ニャン物:正太郎、リンダ、ユースケ、ウズラ、金太、勘九郎、レオ
- 登場動物: -
目次(抜粋)
- 愛するSへの鎮魂歌(レクイエム)
- 正太郎とグルメな午後の事件
- 光る爪
- 正太郎と花柄死紋の冒険
- ジングルベル
- 正太郎と田舎の事件
- *あとがき
- *読者代表より 川口眞
- *解説 池波志乃