柴田よしき『ゆきの山荘の惨劇』
猫探偵正太郎登場。
ミステリーに好まれる設定に、密室というものがある。
文字通り、ある部屋が密室という場合は勿論、孤島だったり、走っている電車の中だったり、・・・
また、この話のように、雪に閉じこめられた山荘だったり。
誰も入ることも出ることも出来ない状況で、犯罪が行われ、そして探偵役による犯人捜しが始まる。
土砂崩れで孤立した山荘、毒死、転落死・・・。
これは事故か、殺人か?
・・・というストーリー展開も、ミステリー界では、まあありがちな設定っぽいけど、
探偵役は、正太郎とトマシーナという2ニャンと、サスケという1ワンだという点が普通のミステリーと違う。
ワンワン、ニャンニャン、人間をしのぐ大活躍!
軽く読めるミステリーです。
この後、シリーズ化もされました。
動物と推理小説の両方が好きな方には是非お勧め。
【猫探偵正太郎シリーズ】
主人公の正太郎は、ペルシアもどきの雑種ネコ。ミステリー作家・桜川ひとみ宅に同居している。
桜川ひとみは、天然でお気楽な現代女性。これでミステリー作家が勤まるのかと心配になってしまうほど。正太郎の名前さえ、しばしば「クロちゃん」だの「タマちゃん」だの、適当な呼び名でごまかして平気である。
それに対し、正太郎は、日本語は完璧に理解し、文字も「まぐろ」くらいなら読めちゃう天才猫。人間顔負けの推理をして、殺人・殺猫事件の謎を解いてしまう。
(2002.4.10)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ゆきの山荘の惨劇』
猫探偵正太郎登場
- 著:柴田よしき(しばた よしき)
- 出版社:角川文庫
- 発行:1998年
- NDC:913.6(日本文学)長編推理小説
- ISBN : 4043428057 9784334774844(文庫版)
- 303ページ
- 登場ニャン物:正太郎、トマシーナ
- 登場動物:サスケ(チャウチャウ犬)