宇都宮直子『猫と私の「老い支度」』

宇都宮直子『猫と私の「老い支度」』

 

心配性な飼い主と、愛らしいペルシャ猫と。

シュガーちゃんは、ペルシャ猫。この品種らしい、おっとり穏やかな猫さんで甘えん坊、運動神経は猫としてはちょっと?だけど、自尊心の強さはまさに猫!

シュガーに、もし、誰がいちばん好きと尋ねたら、彼女はきっと、
「あたし」
と答える。猫はもともと自尊心が強い。
page164

そんなシュガーちゃんを、著者は「娘」として、べったべたに可愛がります。子どものいない著者夫婦にとって、愛猫は愛娘以外の何ものでもありません。自らを「母」と呼び、夫も自らを「父」と称し、それは大事に慈しみ育てます。

宇都宮直子『猫と私の「老い支度」』

宇都宮直子『猫と私の「老い支度」』

この本は掲示板への書き込みで知りました。

【推薦:cast様】
まず、著者の宇都宮さんの飼い猫シュガーちゃんはまだ8歳で、宇都宮さん自身も猫の寿命は伸びていることは分かっているし、シュガーちゃんは今は元気で特に問題はありません。悲壮感漂う本ではありません。
だけど、それでもきっと多くの猫親さんが「あと何年一緒にいられるのかなぁ」と、ふと考えたり、「今は元気だけど心配は尽きない」と思ったりしているんじゃないでしょうか?
本の内容はシュガーちゃんの子猫の頃の思い出であるとか、普段の何気ない様子が綴られていて「ああ、ウチもそうそう!」と言いながら、あるいは「ふはは!」と笑えたり、親ばか(猫ばか)丸出しです。
そのどこにでもある日常の中に、前は出来たのに「出来なくなった」事を見つけてしまったり・・・
ウチの猫にはまだ老化による体力低下は無いけれど、いつかは必ずやってくる老い・・・想像するだけで”涙そうそう”状態になってしまいました。
せめて「あの子は幸せだったのかしら?」と後悔ばかりするような事にはならないよう、残り15年(以上!あくまでも希望)を過ごせたらいいなと思いました。
(2005.1.24)

宇都宮直子『猫と私の「老い支度」』

宇都宮直子『猫と私の「老い支度」』

そう、cast様も書いていらっしゃる通り、「老い支度」なんてタイトルだけど、シュガーちゃんはまだわずか8歳。今どきの猫としては、まだやっとこシニアの初段に足がかかったかどうかって年齢です。たしかにキャットフードの箱などには「7歳からシニア」と書いてありますし、飼育書等でも「7歳になったら健康に注意」と書いてあります。また8歳というのは猫の厄年なのかもしれません、うちのおつうをはじめ、8歳で亡くなる猫は私の周囲でもちらほら耳にします。

が、8歳を難なく超えていく猫の場合、私の経験では、「老い」を感じるようになるのはおよそ12歳くらいから?それも個体差が大きく、ビク嬢は16歳くらいまで全然老いを感じられませんでした。またハナは今14歳半ですが、今も身軽でジャンプ力もあり、幼児体型なその外見はまるで若猫のようです。(20歳のトロはさすがに、見るからにお爺ちゃん猫になってしまっていますが。)

そして著者の宇都宮氏の方も。本中で話題になる「老い」の兆しといえば、四十肩です。高齢者の集まる場所にいけば「まあ四十肩?まだずいぶんお若いのねえ、うらやましいわ」と笑われるような病名です。

そんな、まだ若い年齢でありながら、著者はすでに「老い」におびえています。

たとえば、シュガーちゃんが棚に飛び乗るとき。昔はランニングの続きのラストステップとして、とぎれない動作で飛び乗ることができました。ところが8歳の今、飛び乗る前には一瞬動きが止まり「構え」るようになりました。それを見た著者は愛猫の老いを感じ、それだけであたふたしてしまいます。
(でもそういえば、うちのハナ、いまでも昔通りのランニングジャンプで飛び乗ります。もう14歳半なのに。一方のトロは、青少年時代からどこに飛び乗るにも「ジャンプするぞ~よし、飛ぶぞ~あ、失敗した」とずり落ちる子、そして10歳頃からすっかり二次元生活者。やはり個体差が大きいようです)

とはいえ、全体的には、そういう鬱っぽい部分はきわめて少なく、どこまでも猫ばか親ばかなエッセイです。猫と暮らしている人なら、おもわずウフフ、あははと、笑っちゃうような描写があふれています。
とてもかわいい本です(絵とかではなく、描かれている内容が)。

宇都宮直子『猫と私の「老い支度」』

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宇都宮直子『猫と私の「老い支度」』

宇都宮直子『猫と私の「老い支度」』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『猫と私の「老い支度」』<

  • 著:宇都宮直子(うつのみや なおこ)
  • 出版社:株式会社 講談社
  • 発行:2004年
  • NDC:914.6(日本文学)随筆、エッセイ
  • ISBN:9784062126717
  • 198ページ
  • 登場ニャン物:シュガー、ミー、ミツコ、チョビ、ほか
  • 登場動物:犬

 

目次(抜粋)

Chapter1 シュガーと私
Chapter2 いくつかの憂慮
Chapter3 愛の証し
Chapter4 君といつまでも
あとがき

著者について

宇都宮直子(うつのみや なおこ)

ノンフィクション作家。医療、人物、動物、スポーツなどに関するノンフィクションやエッセイを、雑誌、新聞などに発表している。
主な著書に『ペットと日本人』、『絶望するには早すぎる――いじめの出口を求めて』、『犬の大研究』、『神様がくれた赤ん坊』、『人間らしい死を迎えるために』、『神様がくれた赤ん坊 茉莉子の赤いランドセル』、『だから猫と暮らしたい』などがある。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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