赤川次郎『三毛猫ホームズの歌劇場(オペラハウス)』
音楽の都、ウィーン国立歌劇場で殺人事件が。
日本では、あるピアノコンクールが開催された。
優勝賞金は1000万円、プラス、ウィーンでのコンサート付き。
ピアニストたちが必死になるのも無理はなかった。
審査員のひとりは著名な女性ピアニスト。もう70代だが毅然として年齢を感じさせない。
その愛弟子が最優勝候補だった。
ところが、どんでもない伏兵があらわれる。
まったく無名の新人。しかも、覆面!?
しかし、演奏はすばらしく・・・
話は変わって。
ホームズ一行は、音楽の都、ウィーンにいた。
お馴染み、三毛猫のホームズ。
警視庁捜査一課刑事の片山義太郎。
その妹、晴美。
晴美の自称恋人で、目黒署刑事の石津。
ウィーンには、桜井マリもいた。
『三毛猫ホームズの狂死曲(ラプソディー)』で、命を狙われながらも義太郎たちに助けられ、ヴァイオリンコンクールに優勝した子である。
さらに、警視庁捜査一課課長の栗原警視も、なぜか夫婦でウィーンに来ていた。
これだけメンバーがそろって、事件がおこらないワケがない!
伝統あるウィーン国立歌劇場で、奥ゆかしいオペラを鑑賞しにきたはずなのに。
ピアニストは行方不明になる、人は殺される、義太郎はピストルで脅される、地下墓地に、誘拐に、ウィーン産チンピラ・・・?
なぞのピアニストは、誰だったのか?
どこへいってしまったのか?
*:*:*
この一冊は、ストーリーとしてはとても面白いけど、この結末はちょっとないでしょって感じ。
推理小説として、ヒントが少なすぎると思うし、それ以上に、簡単に人を殺しすぎじゃないかと。
エンターテイメントという点では、ほんとうに優れているとは思うのですけれどね・・・
(1988年2月20日)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『三毛猫ホームズの歌劇場(オペラハウス)』
- 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
- 出版社:光文社 カッパノベルズ
- 発行:昭和61年(1986年)
- NDC:913.6(日本文学)推理小説
- ISBN:4334026702
- 204ページ
- 登場ニャン物:ホームズ
- 登場動物: -