東川篤哉『完全犯罪に猫は何匹必要か?』

東川篤哉『完全犯罪に猫は何匹必要か?』

 

招き猫が招くアリバイ?

軽いミステリー長編。ほとんどコメディタッチのところも。一気に読めます。

猫キチガイとして知られる豪徳寺豊蔵が自宅のビニールハウスの中で殺された。
しかも実の娘の目の前で。

そのビニールハウスは、実は10年前にも迷宮入りした殺人事件が行われた現場だった。
さらにもうひとつの殺人事件も。

そして、殺された豊蔵氏は、死の直前、愛猫の捜索を私立探偵にべらぼうな金額で依頼していた。

その私立探偵と、警察とが、お互いにあるいは情報を分け合いあるいは邪魔し合いながら、それぞれの仕事、つまり行方不明猫の捜索と殺人事件の解明を続けていくうちに、ふたつの捜査は同じ点に行き着く。

生きた猫はほとんど出てこないが、全編猫だらけの推理小説。

内容について実はもっと書きたいことがあるのだが、書いてしまうとネタバラシになるので書きません。
でも少しだけ書いちゃいます。

迷子猫捜索費用として探偵に約束する金額が非常識に高額だ、というのも、ひとつの重要な推理ポイントとされていますが、私はそうは思いませんでした。
豊蔵氏ほどの大金持ちが、愛して止まない猫を探すために出す金額でしょ?
世の中、そのくらい出す金持ちはいくらでもいるんじゃないの?

(2003.11.25)

『完全犯罪に猫は何匹必要か?』

裏表紙

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『完全犯罪に猫は何匹必要か?』

  • 著:東川篤哉(ひがしがわ とくや)
  • 出版社: 光文社カッパノベルズ
  • 発行: 2003年
  • NDC : 913.6(日本文学) 長編推理小説
  • ISBN : 4334075347 9784334075347
  • 339ページ
  • 登場ニャン物 :ミユキ、ミケ子、マオ、エルザ
  • 登場動物 :

 

『完全犯罪に猫は何匹必要か?』

『完全犯罪に猫は何匹必要か?』

 

著者について

東川篤哉(ひがしがわ とくや)

1968年、広島県尾道市生まれ。岡山大学法学部卒。公募アンソロジー『本格推理』『新・本格推理』(ともに光文社文庫)への参加を経て、2002年、『密室の鍵貸します』が「Kappa-one」第一弾にえらばれ、デビュー。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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