香取章子『猫への詫び状』
愛する猫を失って・・・。
19人の各界有名人の、亡くした愛猫に対する思いを綴った本。
寒川猫持さん(目医者・歌人)、池田理代子さん(漫画家・声楽家)、松本零士さん(漫画家)、山本晋也さん(映画監督・俳優)、小林ケンタロウさん(料理家)等々、全員どこかで聞いたことのある名前が並んでいる。
皆、猫を可愛がってはいたものの、いざ亡くしてみると「もっとこうすればよかった」「ああすれば良かった」と、色々悔やまれる事が出てくる。
その気持ちを「詫び状」に書いた、それを集めたものである。
この本を読んで涙する愛猫家は多いようだ。
特に猫を亡くした経験のある人なら、19匹以上の猫の死がでてくれば「うちの子と似ている」ケースがひとつくらいはあるわけで、その場面で大泣きしてしまう。
だから、人前でこの本を読んではいけませんというカキコが一時期掲示板をにぎわせたくらいで・・・
この本の欠点を強いてあげれば、どの「詫び状」も形良くまとまりすぎているということだろうか。
1人くらい、内田百けん先生の「ノラや」のように、いなくなった猫を求めて半狂乱、思考も何もまとまらない時期の絶叫、というのがあれば、読む人々も滂沱の涙となったのでは?
このままでも十分、泣けて仕方ありませんけれど。
(2002.8.11)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『猫への詫び状』
副題、シリーズ名など
- 著:香取章子 (かとり あきこ)
- 出版社:新潮社
- 発行:平成13年(2001年)
- NDC:914.6(日本文学)随筆、エッセイ
- ISBN:4104464015 9784104464012
- 189ページ
- モノクロ写真
- 登場ニャン物:ミクロ、ナオ、クリ、福、タヌキ、にゃん吉、タマ、ミー、揚羽の寅次郎、吉祥寺さくら、ツン、ララ、ピーコ、ベネディクトス、オリベ、モグ、モコ、チャマ、ツキ、メソ、ペル、ジロウ、アイ、タロウ、ケンタ、亮太、夜、ミーナ、ミーコ、グリ、ロメオ、パック、シマ、おから、スティンキー、ヤオ、駒
- 登場動物: -