稲葉真弓『ミーのいない朝』
猫とふたりで暮らした日々・・・。
一生をちぎりあったはずのご主人と別れても、ミーとは別れなかった“私”。
ぴったりと寄り添うようにして過ごした20年間。
ミー、さようなら。20年間ありがとう。父が死んだときも、夫と別れた時も、私はこんなに泣きはしなかった――
女性ならではの細やかな感情を余すところなく書いた、心にしんとくるエッセイです。
(2002.4.26)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ミーのいない朝』
- 著:稲葉真弓(いなば まゆみ)
- 出版社:河出書房新社・文庫
- 発行:2001年
- NDC:914.6(日本文学)随筆、エッセイ
- ISBN:4309406343 9784309406343
- 210ページ
- 登場ニャン物:ミー、シロ
- 登場動物:-
【推薦:きな様】
1977年の夏に保護した子猫。
そして20年後の別れの日までをつづった一冊です。
子猫を迎えて心弾む日々。
猫とともに暮らせる借家をもとめて奔走する日々。
そして・・・いつしかきしみだす夫との関係。
やがて筆者は離婚します。
ミーとの二人暮らし。少しづつ、けれど確実に訪れるミーの老い。それから看取るまでの長く静謐な日々。そして・・・。
本が書かれたのはミーの死から一年半後です。あとがきには、こう書かれています。
「いまだに私は新しい猫が飼えない。(中略)新しい猫を飼えば、夢が終わる。私は自分の中に流れた幸福を、ずっと抱いていたいのだ」
(2002.4.26)
*サイトリニューアル前にいただいておりましたコメントを、管理人が再投稿させていただきました。