風野真知雄『妖談うしろ猫』

『耳袋秘帖』。
主人公格は二人。
椀田豪蔵(わんだごうぞう)は、南町奉行所の同心。名前の通り、ワンワンと吠えそうな(?)豪快な力自慢の巨漢。
一方、宮尾玄四郎(みやおげんしろう)は、根岸備前守の家臣。美男子だが、優男というよりは精悍な、しなやかな男である。そう、まるで猫のような。
二人は、根岸備前守の下、ある不思議な殺人事件を調査をすることになった。
なぞの言葉「かのち」とは、いったい?
甘やかされた若旦那は本当に下手人なのか?
幼い少女が吹く尺八の不思議な魅力とは?
三年寝太郎の引きこもり男が、また外出するようになって、しかし喰っちゃ寝の生活だったはずなのに、なぜかやせ細って?
そして、最大の謎。
なぜ、猫の「うしろう」は、決して人に顔を見せず、常に後姿なのか?
猫の「うしろう」の過去には何があったのか?
いえ、本来の最大の謎はもちろん、殺人犯は誰か、ということなんですけれどね。
拙サイトの訪問者さんなら、やっぱどうしたって、人間より猫でしょう!(^_^)
うしろうは、あまり出番がありません。時々ちょこっと顔を出すだけです。
ですが、猫ミステリーの基本として、一番大事な瞬間には決めてくれます。
推理小説の書評にネタバレを書くくらい愚かなことはありませんから、今日はこのくらいで。
あとは読んでのお楽しみ、うしろう君に乞うご期待★
(2011.3.17)

風野真知雄『妖談うしろ猫』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『妖談うしろ猫』
耳袋秘帖
- 著:風野真知雄(かぜの まちお)
- 出版社:文藝春秋 文春文庫
- 発行:2010年
- NDC:913.6(日本文学)小説
- ISBN:9784167779016
- 295ページ
- 登場ニャン物:うしろう、お鈴
- 登場動物:-