高野瀬順子『ペットのための遺言書・身上書のつくり方』

獣医師・越久田活子監修。
猫やペットを家族の一員として真に愛している人なら、誰でも一度は思うのではないだろうか。
もし自分に万が一のことがあったら、この子はどうなるのか、と。
若くても、健康でも、いつ何があるかわからない。
だれだって病気になる可能性があるし、交通事故はいつだって不意打ちだ。
不安なのは独居者だけではない。
たとえ大家族と暮らしていたって、大地震や火山噴火など、家族が亡くなり、あるいは家は倒壊して家族離散、なんて可能性はまったくのゼロではない。
いざという場合、人間の子どもであれば、最悪でも政府が面倒を見てくれる。
しかし猫は野良に捨てられるか保健所送りだ。
おそらく死ぬだけだ。
ボランティアに保護されるのは、本当に一握りの、きわめて少数な幸運児に限られるから、それを期待すべきではない。
そんな悲しい事態を避ける手段のひとつとして、遺言書を作っておくことをお奨めする。
信頼できる人に、飼育費用(遺産)を添えて、終生飼育を依頼するのだ。
書き方は難しくない。
本には文例も載っているから、それを見ながら書けばよい。
と同時に、「身上書」も作っておくと良い。
これは、猫やペットについての、詳細な記録+説明書みたいなものでる。
名前や生年月日・外見的特徴をはじめ、行きつけの病院や美容院等、病歴、日常のケア(好きなフード・トイレの方法など)、どうすると喜ぶか、怖がっているときどうすれば落ち着くか、その他その他、その子と暮らすための情報が満載な書類である。
身上書も例が載っているので、それを写せば簡単に作れる。
万が一の場合でなくとも、これだけ詳しい身上書があれば、ふだんの健康管理に便利だし、旅行や入院で猫を預けるときなど非常に役立つ。
私ももちろん、遺言書は作ってある。
「自筆遺言書」という、いちばん簡単に作れるタイプ。
遺言書の内容なんてふつうは公表しないものだけど、秘密にするほどの内容でもないから書いちゃうが、簡単に言えば、猫たちの世話を引き受けてくれる人に全財産を譲るという内容だ。
私の財産なんてたかが知れてるけどね(汗)。
そんなわずかな財産でも、うちの猫たちを引き受けてくれる人がいるなら、是非ともその人に譲りたい。
(人間の)子どものいない私にとって、なんといってもいちばん気がかりなのは、我が子こと猫たちの事なのだから。
(2009.4.21.)

高野瀬順子『ペットのための遺言書・身上書のつくり方』手書き遺言書の場合の、封筒の書き方まで事細かに説明

高野瀬順子『ペットのための遺言書・身上書のつくり方』

高野瀬順子『ペットのための遺言書・身上書のつくり方』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ペットのための遺言書・身上書のつくり方』
副題、シリーズ名など
- 著:高野瀬順子(たかのせ じゅんこ)
- 監修:越久田活子(おくだ ひろこ)
- 出版社:創森社
- 発行:2008年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:9784883402205
- 78ページ
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:-
目次(抜粋)
- はじめに
- 序章 ペットが困らないように
- 残されたペットの行く末は・・・
- 最期まで責任をもって守るために
- 第1章 遺言書の種類とつくり方
- 通常の遺言書には3種類あります
- 「自筆証書遺言」のつくり方
- その他
- 第2章 「もしも」の場合に備えて
- 万が一に備えておくと安心
- 前もって飼い主候補を決める際の注意点
- その他
- 第3章 新しい飼い主となる方へ
- 迎える準備と当日の注意点
- 無事な再出発にむけて
- その他
- あとがき