マキャフリー『誰も猫には気づかない』

タイトルとは裏腹に、目だって仕方ない猫が主人公(笑)。
動物好きで知られるSFファンタジー作家の猫の小説。
時代は中世。
頼りになる老摂政が亡くなった。
若い領主ジェイマス5世の両肩に、エスファニア国の治世という重荷がのし掛かってくる。
心配性な老摂政がジェイマス5世に残した一番の秘策、それはなんと1匹の猫だった。
名前はニフィ。
驚くほど賢い猫で・・・。
エスファニア国の隣には邪悪な王夫婦が住み、虎視眈々と領土拡大を狙っている。
政略結婚、暗殺、毒殺。
ジェイマス5世は、無事に難題を乗り越えることができるのか?
深い内容はありません。楽しく読み飛ばすファンタジーです。
題名と裏腹に、この猫さんは非常に目立つ存在で、大活躍します。
猫が人間の生活の中に、ごく自然にとけ込んでいる様子が、動物好き作家らしいと思いました。
登場人物も、猫好きは良い人、猫嫌いは悪い人とされているのが楽しい。
最後の場面には笑ってしまいます。
極悪人とはいえ、人が殺される場面で笑うとは不謹慎なのですけれど、でもその殺害方法が意外すぎて、拍手したくなります。
(2003.7.1)

マキャフリー『誰も猫には気づかない』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『誰も猫には気づかない』
- 著:アン・マキャフリー Anne McCaffrey
- 訳:赤尾秀子
- 出版社:創元推理文庫
- 発行:2003年
- NDC:933(英文学)ファンタジー小説 アメリカ
- ISBN:4488597017 9784488597016
- 172ページ
- 原書:”No One Noticed the Cat” c1996
- 登場ニャン物:ニフィ、ミランダ
- 登場動物:-