マーシャル『迷子のマーリーン』

マーシャル『迷子のマーリーン』

 

『三毛猫ウィンキー&ジェーン』シリーズ第一弾。

主人公のジェーン・スチュアートは、著作権エージェント。作家と出版社の橋渡しをするのが仕事だ。もともとは夫と経営していた。頼もしい夫は若くして亡くなってしまった。今は社員と二人だけの小さな会社である。幸いその社員はきわめて優秀だ。

ジェーンには一人息子のニックがいる。9歳で、まだ世話をしてくれる大人が必要だ。なのでベビーシッターを雇っていた。それがマーリーン。ジェーンのもっとも古い友人の娘である。といっても、今はお互い遠く離れて住んでいて、その娘マーリーンとは面識もなかった。

マーリーンがニックのベビーシッターになったのは、強く頼まれたからである。ジェーンは親友の頼みを断れなかった。

しかし、マーリーンはおよそベビーシッターには不向きな娘だった。
ハッとするほどの美人。その分、性格も派手。遊び好き。幼児に興味はない。

だから、マーリーンが一言の断りも無く突然失踪したとき、ジェーンは困るどころか内心喜んだ。どうすれば親友を傷つけずにマーリーンをクビにできるか、悩みの種だったからだ。

ただ、そのマーリーンが、母親にさえも行先を告げず、まったくの行方不明となると、・・・

ジェーンの性格上、とりあえず行き先だけはつかんで、母親に報告しなければならない。それが大人の責任感というもの。

マーリーンの行きつけの店や元ボーイフレンドを回って、なんとか行方を探そうとするが、とんでもない事実が次々と明らかになって・・・

軽いタッチの、いかにもアメリカっぽいミステリーです。

さて。猫はと言いますと。

ニックの愛猫がいます。名前はウィンキー。2歳の三毛猫。
ニックとウィンキーは大の仲良し。

ウィンキーの登場場面はとても少ないのですが、そこはお決まりの猫ミステリー。
重要な謎解きには、もちろん、ウィンキーーが手を(肉球を?)貸します。

裏表紙の解説には『かわいいウィンキーとそそっかしいジェーンが大活躍のコージー・ミステリー、第一弾!』と書いてあります。
ということは、これはシリーズ作なんですね。
次作ではウィンキーがもっと登場することを期待しつつ。

(2011.1.30.)

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『迷子のマーリーン』
三毛猫ウィンキー&ジェーン

  • 著:エヴァン・マーシャル Evan Marshall
  • 訳:高橋恭美子(たかはし くみこ)
  • 出版社:ヴィレッジブックス 文庫
  • 発行:2004年
  • NDC:933(英文学)小説 アメリカ
  • ISBN:9784863327221
  • 380ページ
  • 原書:”Missing Marlene” c1999
  • 登場ニャン物:ウィンキー
  • 登場動物:-

 

著者について

エヴァン・マーシャル Evan Marshall

ボストン・カレッジを卒業後、ホートン・ミフリンなど大手出版社の書籍編集者を経て、1987年にみずから著作権代理事務所を設立、現在も辣腕著作権エージェントとして活躍している。数々の新人を送り出すかたわら、小説を執筆するためのハウツー本も多く書いており、「小説作法の教祖」としても有名。本書はそんな彼が書いた初めての少背酢である。現在はニュージャージー。

高橋恭美子(たかはし くみこ)

関西外国語大学卒業。英米文学翻訳家。主な訳書にケラーマン『水の戒律』『赦されざる罪』(東京創元社)、クレイス『サンセット大通りの疑惑』(扶桑社)、ジョージ『誘拐工場』(新潮社)、アンドリューズ『化石の殺人』(早川書房)、パタースン『スザンヌの日記』、ミラー『すぐわかる!あなたの犬の知能指数』(以上ヴィレッジブックス)など。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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マーシャル『迷子のマーリーン』

5.8

猫度

5.0/10

面白さ

6.5/10

猫好きさんへお勧め度

6.0/10

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