マルティーニ『猫探偵カルーソー』

マルティーニ『猫探偵カルーソー』

 

猫たちが、徒党を組んで事件を解決!。

イタリアのヴェネツィアは、ご存じ世界的な観光名所。
そしてイタリアの観光地にはなぜか猫が多いが、ここヴェネツィアももれなく、猫が多い。

ここの猫たちは知っていた。ヴェネツィア最大の産業が観光であることを。
観光客が来なければヴェネツィアはさびれ、そんなことになれば人間達だけでなく、自分たちも飢えるようになることを。

悲惨な殺人事件発生に、猫たちは脅えた。
変なウワサが流れて観光客が来なくなったらどうしよう!

さらに別の事件も連発する。
猫が次々と誘拐されたのだ。
平和なヴェネツィアはどうなっちゃったんだ?

こうなったら、人間どもに任せてはいられない。
猫の力で事件を解決しなくては!

ボス猫・クルーソーを中心に、猫とは思えぬ(?)忠誠心と団結力と勤勉さを発揮し、猫たちは奔走する。
猫ならではの方法で情報を集め、犯人を捜し、尾行し、糾弾する。

猫の力を侮るな!

最初から最後まで徹底的に猫の視線からだけ描かれてたミステリーである。
舞台はイタリアだが、著者はドイツ人。そのためか猫たちはドイツ人のように合理的かつ論理的。
猫たちは会話し、推理し、交渉しあう。ときには「猫はそんなに働かないだろ!」と突っ込みたくなるが、そこはそこ、ファンタジーの世界と割り切って、思い切り遊んで下さい。

(2009.4.18.)

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『猫探偵カルーソー』

  • 著:クリスティアーネ・マルティーニ Christiane Martini
  • 訳:小津薫(おづ かおる)
  • 出版社:扶桑社 扶桑社ミステリー文庫
  • 発行:2007年
  • NDC:943(ドイツ文学)小説 ドイツ
  • ISBN:9784594055530
  • 213ページ
  • 原書:”Carusos erster Fall” C2005
  • 登場ニャン物:カルーソー、カミッラ、オルネッラ、ウーノ、コッリエーレ、フレド、ロッシ、アルフォンソ、ロッコ、ラッファエラ、マッシーモ、ヌンツィオ、他多数
  • 登場動物:ー

 

著者について

クリスティアーネ・マルティーニ Christiane Martini

フランクフルト生まれ。ブロックフレーテの演奏家、古楽器案アンサンブルの指揮者、作曲家として活躍するかたわら、児童書の執筆や教則本の編纂にもあたっている。本書は、彼女が手がけた初のミステリーで、すでに続編が2さつ出版されている。現在は、夫と二人の子どもとともに、フランクフルト近郊のドライアイヒに在住。

小津薫(おづ かおる)

同志社女子大学英米文学科卒、ミュンヘン大学美術史学科中隊。英米・独文学翻訳家。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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