『うちの猫がいちばん!猫の手入れがわかる本』
CFA公認審査員による手入れマニュアル。
「うちの猫がいちばん!」シリーズ。
わずか全78ページの薄い本の中に、猫のお手入れ(グルーミング)の仕方が書いてある。
犬のトリミング本ならありそうだけど、猫ではちょっとめずらしい・・・と思ったら、CFA審査員の方の本なのね。
CFAとは、Chartered Financial Analyst(CFA協会認定証券アナリスト)ではない。
The Cat Fanciers’ Association Inc. のことである。
本部は米国オハイオ州アライアンス。
その公式ウェブサイト(日本支部)から引用させていただくと、
猫の品種改良により遺伝的な欠陥を排除した各種血統猫の健康促進を最大の目的とし、アメリカ全土、カナダ、南米、ヨーロッパ、アジア、ロシア、および日本に、その所属クラブ600以上を数える、世界最大の愛猫協会として活動する非営利団体です。
一般的に知られている純血猫種の血統登録書の発行、米国をはじめとした世界各国でのCFAキャットショー開催、猫に関する書籍・ビデオの発行以外にも、ウィーンファンデーションを代表とした動物愛護にも力を入れています。
キャットショーでは、猫の性格は審査対象ではない。
もちろん、あまりに暴れて触ることもできないような猫ではダメだろうけど、それなりにしつけられた猫であれば、性格や頭の良さ、さらに健康も関係無いのだ。
重要なのは、あくまで外見。
だから、たとえばタイトルなども「1章 美しさと健康のために」なんて順番になるんだろうなあ、と、つい、うがった見方をしてしまう。
美しさが先で、健康はそのつぎ?なんだかなあ?
猫の美しさって、健康であってはじめてついてくるものじゃないの?
健康な猫は、どの子も美しいですよ。
そして、たとえ病気やハンディをもっていても、愛されている猫は美しい。
猫自身が幸せであれば、その猫は間違いなく、美しい。かがやいている。
美しさなんて、健康と幸せの付帯品にすぎないものなのに・・・
と、思い切り辛口になってしまうのは、最後の方の「ノミ取り対策」の章にも思い切り反発しちゃったからだ。
つまりね。
私なら、愛猫を「美しく」したいなら、まず何より、猫の健康に最大の注意を払う。
ノミ・ダニ対策なんてのも、まっさきに出てくるべき項目のひとつ。
それが、ブラッシングやシャンプーのあと、本の最終章でやっと言及されているという順番でも、ちょっと(かなり)あれれ?なのだが、その内容が・・・
大雑把にまとめると、
・手で取る。これで完全退治は困難。
・ノミ取りぐし。でも使いすぎると、被毛を抜いてしまうので注意が必要。
・ノミ取りシャンプー。かなり効果的だが、これも、あまり頻繁に使用すると被毛や皮膚を傷めるから注意してください。
・植物性の油落としクリーナー。大きな効果あり、被毛の仕上がりも美しく、「ぜひ試してみてください。」。
・ノミ取り首輪。市販のより、動物病院で購入する首輪がおすすめ。
そしてスポットオン式については、別章をたてるでもなくノミ取り首輪の章に「首筋につける滴下式のノミ取り駅もありますので、獣医さんに相談してください(猫を何匹か買っている場合は、おたがいがなめないように注意が必要です)」と、つけくわえてあるだけなのだ。
私の認識では、スポットオンなど獣医さんで買う薬のほうが、ノミ取りシャンプーやノミ取りクシよりはるかに効果的なんだけどなあ?
もちろん、中にはアレルギー反応が出る猫もいるし、注意は必要だ。
でも、ノミの根絶を期待するなら、まずは獣医師処方の薬剤使用が一番確かだと思う。
しかし、この本では、いちばんのおすすめは、被毛をきれいにする油落としクリーナー。
つぎはアメリカ製強力ノミ取り首輪。
アメリカまで買いに行けない人は動物病院のノミ取り首輪を使いなさい。ま、スポットオン式なんてものもあるけどおすすめしないよ~。
と、なっています。
これでは、ノミ根絶より、被毛の美しさ重視ととられても仕方ないと思うのですが・・・
商業的なブリーダーもキャットショーも嫌いなので、ごめんなさい。
でもホントに、ブラッシング技術なんかより、猫自身の健康と幸せだと思うよ?
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『うちの猫がいちばん!猫の手入れがわかる本』
- 監修:高野八重子(たかの やえこ
- 出版社:成文堂新光社
- 発行:1995年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:4416795130
- 78ページ
- モノクロ
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:-
目次(抜粋)
- 1章 美しさと健康のために
- 手入れはなぜ必要か
- グルーミング好きな猫に育てる
- その他
- 2章 猫を美しくするには
-
- シャンプーはなぜ必要か
- シャンプーじょうずになるために
- その他