『うちの猫がいちばん!猫の食事がわかる本』
市販フードの他、手作り副食も与えたい方におすすめの飼育書。
獣医師が監修した本。
出版は1994年と、もう20以上前の本なので、内容的には少し古く感じてしまうのは仕方ないでしょう。
この20年でペット業界は大きく変わりました。
特に猫業界。
20数年前といえば、まだ、猫はペットとしてはどこまでも犬のつぎ、犬の下の扱いでした。
ペット用品売り場は犬ばかり、猫モノは片隅にひっそりと置かれている程度で。
当然、市販キャットフードの種類も少なく、用途の分類も大雑把でした。
子猫用・成猫用・尿路結石配慮・減量用、と、この4つくらいだったでしょうか。
昔はシニア猫用フードなんてなかったんです。
何か特別に配慮したフードが欲しければ、動物病院で高額な輸入フードを購入するしかありませんでした。
これは、そんな時代に書かれた本です。
時代背景か、手作りフードについて多く書かれています。
栄養についてはもちろん、猫の年齢や症状別のフードメニューがあるのを見つけて、当時の私はこの本にとびついたのでした。
この薄さに、これだけ要領よく、ポイントを押さえて書かれた一般書なんて、当時はなかなかありませんでしたから。
中でも良いと思ったのが、市販ペットフードとの組み合わせで書いてあること。
今は、地方都市のホームセンターでも、さまざまな種類のキャットフードが並ぶようになりました。
年齢別に、子猫用、成猫用はもちろん、7歳以上用、15歳以上用、20歳以上用まで。
また、尿路疾患のほか、腎臓や肝臓に配慮したフード、不妊手術済で室内だけで暮らす猫達用の、肥満配慮のフード、その他。
それらの市販フードと、病院で買う療法食とをうまく使い分ければ、たいていの症状に対応できる時代となっています。
ありがたいです。
むしろ、この本で書かれている食材・・・ちくわ、紅鮭、その他・・・は、添加物その他の化学物質が不安だったり、塩分が多すぎるなど、最近では猫には奨励されないことが増えました。
それでも、・・・
ヒトを含む動物の三大欲求は、食欲、睡眠欲、性欲だといいます。
飼い猫は、通常、睡眠欲はいやというほど満たされているでしょう。
避妊去勢手術をほどこされた猫達に、性欲はあまりないでしょう(皆無ではないようですが)。
であれば、残るは食欲のみ。
これこそ、何よりも強く感じているはず。
飼い主の責任としても、しっかり満たしてあげたいじゃないですか。
あなたの愛猫のために、猫の食事に関する本は、ぜひ読んでいただきたいと思います。
最新の本には最新知識が、古い本には、昔からの観察に基づくヒントがつまっています。
販売されているフード(とくに療法食)を嫌う猫さんでも、昔ながらの手作り食なら食べてくれる場合があります。
愛猫の食に悩んでいる方に、おすすめの一冊です。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『うちの猫がいちばん!猫の食事がわかる本』
- 監修:宮田勝重
- 出版社:誠文堂新光社
- 発行:1994年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:4416794223
- 78ページ
- カラー口絵、モノクロ挿絵、イラスト(カット)
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:-
目次(抜粋)
- 1章 猫の正しい食事と栄養
- 食事の時間と回数は規則正しく
- 栄養のバランスを考える
- 猫に食べさせてはいけないもの
- その他
- 2章 食事の選び方、与え方
- 子猫の食事メニューと与え方
- おとなの猫の食事メニュー
- 年より猫の食事メニュー
- 病気の時の症状別メニュー
- 猫の肥満とダイエット
- 便利でお手軽なキャットフード