『ネコ好きに捧げるミステリーベストセレクト12編』

海外発:ミステリー好きにはたまらない。
外国のミステリー短編集。
●「替え玉」 パトリシア・モイーズ著、深町眞理子訳
自分の欲望を達成するためには殺人まで犯すことはない、ただちょっと妻を精神病院にでも入院させることが出来れば、と気が付いた男の入念な計画とは?
猫を使ったトリックは成功するか?
●「猫の子」 ヘンリースレッサー著、野村光由訳
私の好きな短編です。読み終わった直後はそれほど感動しているわけではないが、何故か後まで記憶に残る小品。
J.ダン&G.ドゾワ編「魔法の猫」にも収容されています。
●「灰色の猫」 ジョイス・ハリントン著、小沢瑞穂訳
最後の登場人物達の、どんでん返しが不気味。
●「ウェブスター物語」 P.G.ウッドハウス著、宮脇孝雄訳
猫の持つ不思議な力。その力に抗えるヒトなんていないのです・・・
●「猫で殺す」 メアリ・リード著、夏米健次訳
これは気弱な男の、ささやかな抵抗なのか、それとも?
●「ラヴェラーが行く」 J.v.d.ウェテリンク著、宮脇孝雄訳
う~ん、あまり私好みではない・・・ちょっと悪趣味的。
●「八時三十分の幽霊」 リリアアン・ジャクスン・ブラウン著、中井京子訳
ブラウンらしい小ミステリー。
●「彼はあたしのもの」 ステラ・ホワイトロー著、小梨直訳
こういう猫、多いのではないでしょうか。というか、ほとんどの猫はこのように思っているのでは?
●「キプロス猫」 ドロシー・L・セイヤーズ著、池央耿
日本の化け猫伝説に出てきそうな話です。
●「猫の重罪」 L.J.リトケ著、豊永和子訳
他の人にはともかく、私にはこの青年はとっても魅力的に見えますにゃ。
●「ネコにヴァイオリン」 エドワード・D・ホック著、中井京子訳
よくある密室殺人事件の典型的な応用、絶海の孤島での殺人事件。
マザーグースの童謡が出てくるところも、どこかで見たような設定。
謎解きは「そして誰もいなくなった」(アガサ・クリスティー著)よりは簡単ですからどうぞ犯人を当てて下さい。
●「老友モリー」 クラーク・ハワード著、小鷹信光訳
短編だが、現代社会の問題が凝縮されているような内容です。
私としては、このラストは小気味よかった。
やっちゃえ!って感じで。
これがミステリーに分類されるべき作品かどうかは疑問ですが。
(2004.9.19)

『ネコ好きに捧げるミステリーベストセレクト12編』

『ネコ好きに捧げるミステリーベストセレクト12編』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ネコ好きに捧げるミステリー ベストセレクト12編』
- 著:ドロシー・L・セイヤーズほか
- 訳:深町眞理子ほか
- 出版社:光文社文庫
- 発行:1990年
- NDC: 933(英文学)ミステリー短編集
- ISBN:4334760503
- 307ページ
- 原書:
Patricia Moyes”The Faithful Cat” c1983;
Henry Slesar “My Father,The Cat” ;
Joyce Harrington “The Old Gray Cat” c1977;
P.G.Wodelhouse “The Story of Webster”;
Mary Reed “Cat’sPaw” c1988;
Janwillem va de Wetering “There Goes Ravelaar” c1984;
Lilian Jackson Broun “Susu and The 8:30 Ghost”;
Stella Whitelaqw “This Man Is Mine”;
Dorothy L Layers “The Cyprian Cat”;
Lael J.Littke “A Feline Felony”;
Edward D. Hoch “The Cat and Fiddle Murder” c1982;
Clark Howard “Animals” c1985 - 登場ニャン物:パクディー、ドーフィン、ウェブスター、エゼキエル、マックス、スス、モリー、スージー、他
- 登場動物: -