藤堂志津子『秋の猫』
30代、独身、女。。。
私が持っているのは単行本だが、最近文庫本でも発売された。
文庫の方が持ちやすいし場所もとらないので好きだ。
もう少し買うのを待っていれば良かった・・・
とまあ、そんな話はおいといて。
30代、独身、女。
一人でいる理由は様々。
あるいは相手に恵まれなかったり、あるいは恋人とケンカ別れした直後だったり、あるいは離婚していたり。
そんな女達の傍らには猫か犬がぴったりとよりそっている。
あるときは猫に慰められ、あるときは犬が新しい恋の橋渡しとなる。
軽いタッチでちょっぴり切ない大人の恋愛小説集。
5編の短編のすべてに犬か猫が登場。
猫が出てくるのは次の3編。
「秋の猫」
‘私’はずっと猫を飼いたかったけれど、「男のかわりに猫か?」と言われるのが嫌だった。
が、36歳になって恋人との関係も終わった今なら、「そ、猫のほうがすっとまし」と平然と受け答えできそうだった。
さっそく迎えた猫のうち、1匹はとてもよい子だったが、もう1匹には手こずって・・・
「ドルフィン・ハウス」
転職する時、男を選ぶ時、常にワンランク上を望みながら、なかなか望みのものが手に入らない‘私’。
ほとんどあきらめに近い毎日をおくっていたときに、猫を抱いたその男に出会った・・・
「公園まで」
この4年間で、‘私’の生活は劇的に変化していた。
悪い方へ。
公園で偶然会った男は、お互い名前さえろくに覚えていなかったけれど、やはり環境の変化を経験していた。
‘私’は犬を、男は猫を飼っていて、・・・
(2005.11.7)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『秋の猫』
- 著:藤堂志津子 (とうどう しづこ)
- 出版社:集英社
- 発行:2002年
- NDC:913.6(日本文学)小説
- ISBN:4087746216 9784087746211
- 238ページ
- 登場ニャン物:ロロ、ミミ(「秋の猫」)、ハナ(「ドルフィン・ハウス」)、リキマル(「公園まで」)
- 登場動物:犬
目次(抜粋)
- 秋の猫
- 幸運の犬
- ドルフィン・ハウス
- 病む犬
- 公園まで