赤川次郎『三毛猫ホームズの降霊会』

赤川次郎『三毛猫ホームズの降霊会』

 

五歳の幼女を殺したのは誰?

わずか五歳の幼女が殺された。ホテルのトイレで。

犯人はあがらなかった。母親は当然、あきらめきれない。
警察にばかり任してはいられないと、母親が頼ったのは霊媒師だった。
娘の霊を呼び出して聞けば、犯人がわかるだろうと。

依頼を受けたのは、ある女性霊媒師。
片山義太郎刑事の、元同級生でもあった。

いざ、降霊会が開かれたが、思わぬ邪魔がはいり、殺人や誘拐まで。
どうやら、犯行がばれるのを恐れた犯人が妨害しているらしい?

今回も、ホームズたん、あまり活躍しません。
それに最近のホームズ、推理よりもボディガード役が目立つような?

「ギャー」と叫んで人間に飛びついて引っ掻く、というのが定番。
犯人の手から銃を落とすためなど、攻撃目的だけでなく、誰かを守るためのことも多いのですが(たとえば飛んでくる弾丸から身をそらさせるため)、いずれにしても、なぜか引っ掻いているだけで、噛みつくことはありません。
飛びついて引っ掻くだけなんて、なんかますます猫っぽくないホームズ(汗)。

ところで、この三毛猫ホームズシリーズ。
ホームズ以外にも、ほんのちょい役やウワサだけとはいえ、猫は数頭でてきました。
でも、他の動物はさっぱり出て来ませんねえ。
この本で三毛猫ホームズシリーズ、もう41冊目。
ふつう、猫が大活躍する小説だと、主人公猫以外にも猫たちがワラワラ出てくるのが多いですし、しばしば犬も登場します。
私がこれほど赤川次郎氏の作品が好きにもかかわらず、どこか物足りない気持ちが付きまとうのは、こういうところでしょうか。
猫はお好きなようですし、ホームズが猫でありながらどこへいっても気持ちよく受け入れられる様子は、読んでいるこちらもとても気持ち良いのですが。

三毛猫ホームズシリーズ

赤川次郎『三毛猫ホームズの降霊会』

赤川次郎『三毛猫ホームズの降霊会』

赤川次郎『三毛猫ホームズの降霊会』

ファンクラブへの勧誘。
それは良いのですが・・・

赤川次郎『三毛猫ホームズの降霊会』

ホームズがいない!
光文社さん、ちょっとあんまりじゃないですか?
これでは、たとえばイチロー選手のファンクラブ勧誘に、イチロー選手の写真がなくて、他の野球選手の写真ばかりが並んでいるのと同じような違和感を、私は感じてしまいます。

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『三毛猫ホームズの降霊会』

  • 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
  • 出版社:光文社 光文社文庫
  • 発行:2008年
  • NDC:913.6(日本文学)推理小説
  • ISBN:9784334744021
  • 299ページ
  • 登場ニャン物:ホームズ
  • 登場動物:-

 

著者について

赤川次郎(あかがわ じろう)

福岡県福岡市博多区出身。1996年度より金沢学院大学文学部客員教授。父親は元満洲映画協会、東映プロデューサーの赤川孝一。1976年「幽霊列車」で第15回オール讀物推理小説新人賞、1980年『悪妻に捧げるレクイエム』で第7回角川小説賞、2006年第9回日本ミステリー文学大賞、2016年『東京零年』で第50回吉川英治文学賞を受賞。多作で知られ、2015年には580冊を突破、累計発行部数は2015年時点で3億3000万部を超えている。三毛猫ホームズシリーズ、三姉妹探偵団シリーズ、幽霊シリーズ、吸血鬼シリーズ他、シリーズ物も多い。

三毛猫ホームズシリーズ

(著者プロフィールはWikipedia他からの抜粋です。)


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