赤塚不二夫『もーれつア太郎』『ニャロメ!!』
二足歩行で人語を話すネコ。
「ニャロメ」が、日本アニメ史上、最も有名な猫キャラの中の一匹であることは間違いないでしょう。
私が子供のころ、落書き場所には、たいていニャロメの顔も描かれていました。当時の子供たちがニャロメを描いた回数は「へのへのもへじ」の次くらいに多かったのではないでしょうか。そのくらい誰でも知ってるだけでなく、誰でも描くことができる超人気キャラでした。藤子不二雄「オバケのQ太郎」も大人気でしたけれど、なぜか落書きはニャロメが多かったような?ファミリー向けな要素の強い「オバQ」より、ノラネコのニャロメの方が、ブロック塀やトイレへの悪戯に似合っていたからかもしれません。
ニャロメは、二足歩行するノラネコです。ふつうに人語を話します。「な」がどうしても「にゃ」の発音になってしまう以外は、下手な人間よりよほどテンポよく流暢です。悪戯好きで、いつも何か企んでいますが、めったに成功しません。逆に失敗して追いかけられ、ときにはかなりひどくとっちめられてしまいます。が、何回失敗しても決してめげません。実にパワフルな猫です。
そんなニャロメが苦手なのは、ニャンとネズミ!
そして、嫌いなのが、ニャンと雌猫。だってニャロメの夢はいつだって、ニャンゲンのキャわい子ちゃんと結婚することなんですから。ニャロメは頻繁に求婚しています。
「おれとけっこんしろニャロメ!!シャーワセにするニャロメ!!」
キャわい子ちゃんにこだわっているようでいて、ニャロメの審美眼はそれほど厳しくありません。それこそ片っ端からアタックしてはフラれまくっています。
ニャロメは、『もーれつア太郎』の重要な脇役ですが、私の思うに、主人公のア太郎が忘れられても、さらに『おそ松くん』や『天才バカボン』等が忘れられても、ニャロメはずっと残るでしょう。そのくらいインパクトのあるキャラです。仲間の「ケムンパス」(毛虫)と「べし」(カエル)も忘れないでほしいな。
ニャロメの「ニャロメ!!」は、日本ギャグマンガ史上、不滅にゃのだニャロメ!
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『もーれつア太郎』
- 著:赤塚不二夫(あかつか ふじお)
- 出版社:株式会社 竹書房
- 発行:1994年
- 初出:昭和42年(1967年)~
- NDC:726(マンガ、絵本)ギャグマンガ
- ISBN:9784884759438
- 269ページ
- 一部カラー
- 登場ニャン物:ニャロメ、ほか多数
- 登場動物:ケムンパス(毛虫)、べし(カエル)、ブタたち、ほか
『ニャロメ!!』
「もーれつア太郎」より
- 著:赤塚不二夫(あかつか ふじお)
- 出版社:筑摩書房 ちくま文庫
- 発行:2003年
- 初出:昭和42年(1967年)~
- NDC:726(マンガ、絵本)ギャグマンガ
- ISBN:9784480038524
- 348ページ
- 登場ニャン物:ニャロメ、ほか
- 登場動物:ケムンパス(毛虫)、べし(カエル)、ほか