リリアン・J・ブラウン『猫は14の謎をもつ』
「猫は・・・」シリーズ唯一の短編集
猫は神経を集中する
登場ニャン物=ファット・ファット
ある夫婦と暮らすシャム猫の、タウンハウスでの日常が、ある日、かき乱された。彼は、判で押したように規則正しい生活が好きだったのに。大きなパーティーが開かれたのだった。
そのしばらく後、ファット・ファットが一人で留守番をしていると・・・
大きな水たまりが現れた週末
登場ニャン物=パーシー
静かな田舎の家は、騒々しい夫婦を客に迎えててんやわんや。夫の方は強引で自己主張の塊、妻のほうはキャンキャン吠える小型犬みたい?さらに、猫のパーシーが見たものは、幽霊・・・!
ヤッピー猫現象
登場ニャン物=シンシン
そのシャムの子猫には驚くべき特技があった。シンシンが得意とするもの、それは・・・機械操作だった!
ドラモンド通りのヒーロー
登場ニャン物=よだれ垂らし
いつもよだれを垂らしてる、汚らしい野良猫。尻尾の先端もちぎれてしまった。悪ガキ共はその猫をみると虐めた。けれども猫は人懐こいままだった。
のみならず、その猫がある日、地域全体を惨事から救うことになる!
怒った博物館のネズミとり猫
登場ニャン物=マーマレード
ロックマスター博物館の内部が荒らされていた。猫のマーマレードは犯人を目撃していたはずだが、悲しいかな、猫は人語が話せない。彼はただ、異常に興奮するばかりだった。
黒い猫
登場ニャン物=ダク・ウォン
ダク・ウォンは誇り高きシャム猫。知性と忠誠で知られる種族。そう、彼はきわめて猫らしい猫なのだ、いつだって。英雄的なふるまい、というのは、猫の習性ではない。だから、彼がなぜああいう行動に出たのか、それは永遠に彼だけの秘密。
イースト・サイド・ストーリー
登場ニャン物=白い子猫、灰色の子猫
地面に空いた大きな穴。それは、建設予定のビルが地下を掘ったところで中断され、そのまま残されたのだった。すぐに野良猫たちの絶好の住まいとなった。「猫谷」と呼ばれ観光客まで訪れるように。
ティプシーと公衆衛生局
登場ニャン物=ティプシー
アメリカは大恐慌時代の話。ティプシーという猫がいた。最初は食料品店にいたが、公衆衛生局の役人に見つかると、十ドルの罰金が科せられる。当時の十ドルといえば大金だった。だからティプシーはつぎつぎと店をたらいまわしにされたが・・・
良心という名の猫
登場ニャン物=コンスタンス(呼び名=コンシャンス)
昔々、小さな田舎町の小さな銀行で起きた、思いがけない事件。あんなに人気者だった若い頭取が、首をくくったのだった。
ススと八時半の幽霊
登場ニャン物=スス
ススと飼い主の姉妹が住んでいるのは、古いアパートメントだった。隣人は風変わりな男。5年前に交通事故に会い車椅子に乗っている。その奇妙な隣人に、シャム猫のススは妙になついてしまった。
スタンリーとスプーク
登場ニャン物=メイプルシュガー、スタンリー
スプークは幼い男の子、スタンリーはスクープと同じ日に生まれた猫。一緒に育ったせいか、スプークはまるで猫みたいな男の子だった。
ヒゲ長の奇妙な猫
登場ニャン物=ヒゲ猫、納屋猫たち、シャム猫、ペルシャ猫、アビシニアン
田舎のある裕福な農場で、不思議な出来事がつぎつぎと?幼いドナルドが納屋で見たという「ヒゲ猫」とはいったい?
マダム・フロイの罪
登場ニャン物=マダム・フロイ、サプシム
10階の彼らの住居の、隣に引っ越してきたのは、猫嫌いの男!イヤな奴!マダム・フロイは猫らしく、彼を警戒したが、むすこのサプシムはあまり猫らしくない性格だった・・・
おおみそかの悲劇
登場ニャン物=シャドウ
大晦日の夜に、車のスリップ事故、窓から目撃していた女性は、刑事の妻。事故現場に駆け付けた彼女は、その帰り、黒い子猫を保護した。なにやら物言いたげな様子の子猫だった。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『猫は14の謎をもつ』
『猫は・・・』シャム猫ココシリーズ
- 著:リリアン・J・ブラウン Lilian Jackson Braun
- 訳:羽田詩津子(はた しづこ)
- 出版社:早川書房 ハヤカワ文庫
- 発行:1991年
- NDC:933(英文学)アメリカ長編小説
- ISBN:9784150772055
- 278ページ
- 原書:”The Cat who had 14 Tales” c1988
- 登場ニャン物:上記
- 登場動物: