リリアン・J・ブラウン『猫はクロゼットに隠れる』

ブラウン『猫はクロゼットに隠れる』

 

クィララン、犬ぞりに乗って湖面を走る!。

ジュニア・グッドウィンターは、譲り受けてしまった屋敷を持て余していた。
お屋敷街グッドウィンター・ブルヴァードに面し、作りつけのクローゼットが50個もあるような、広い家だ。

その家は、ポリーが住んでいるキャリッジ・ハウスの向かいに建っていた。
だから、クィラランは冬の間、その家を借りることにした。
クィララン自身の住居―――改装された元リンゴ貯蔵納屋―――は、雪かきが大変だから、という口実で。

その屋敷で、クィラランは興味深いものを見つける。
1869年にピカックス市を襲った大火事の歴史的資料だ。
クィラランはそれを基に一人芝居の台本を書き、さらに、自身で演じた。
たちまち人気となり、クィラランはあちこちで公演するはめに。

その頃、遠いカリフォルニアで、ユーフォニアが自殺した。
ジュニアの祖母で、今クィラランが借りている屋敷の元所有者である。
88歳と高齢だったが、自殺するような女性とは思えなかった。

屋敷には彼女が残したものが、まだ多く残されていた。
ココはクローゼット探検をしては、猫にとっての宝物(?)を見つけ出し、運んできた。
使い古しの爪やすり、ちびた鉛筆、部分入れ歯、半分空のマッチ箱、大昔の出生証明書、くつひも、他。
どれも、一見、ただのガラクタ。

しかし、クィラランは知っている。
ココがメッセージを送ってきたら、それは何か重大な犯罪が行われている事を意味するのだ、と。

そして、ある(貧しいはずの)農夫の怪死。
クィラランは、その娘から相談を受けた。

老ユーフォニアの親友と、その幼い孫息子を探偵に任命して、クィラランの追及が始まる・・・

*****

あのアーチ・ライカが、なんとミルドレッド・ハンステーブルと結婚!
ミルドレッドの方が、アマンダ(以前の交際相手)より、ずっと魅力的な女性ではあります。
だから二人の結婚は、誰からも祝福されるべき出来事です。
でも私、内心では、ものがたりとしては、アーチとアマンダが結婚した方が面白かったのにと思ったのも事実です。
どれほどの騒動が持ち上がるかと(笑)。

この本を読んでいて、一か所、あれっと思ったことがありました。
「地域猫」という単語です。

「(前略)郡内のキャッシュ・レジスターには百個のびんが置かれて、野良猫の去勢のために小銭を募金してもらっているわ。あたしは地域猫って呼んでいるの。個人の猫じゃないけど、住んでいる人全員の猫なわけでしょ」
page284

「TNR(Trap,neuter,release/return)」という言葉は、欧米ではかなり以前から使われていました。
でも「地域猫」という言葉は、たしか、日本発生だったような?それも初期は「地域ねこ」と表記されていた記憶が。

「地域猫」が一般に知られるようになったのは、比較的最近(2000年代にはいってから)だと思うのです。
この本は1997年発行、原作は1993年。
そんな昔から「地域猫」って使われていたっけ?と、考え込んでしまったわけです。
この本の設定は、どこからも400マイル離れた人口3000人の田舎町、「地域猫」発言者は一般女性、そういう立場の人が使うような言葉だろうか、と。

他ならぬ羽田詩津子氏だから、猫本翻訳で活躍されている羽田詩津子氏だからこそ、この言葉を早くからご存知だったということなのでしょうか。
それとも、私が知らなかっただけで、前世紀からアメリカでふつうに使われていた言葉?

検索してみたのですが、「地域猫」という言葉の語源はわかりませんでした。
NPOねこだすけ」さんが1997年頃から使っていたらしいことがわかっただけです。
どなたかご存知でしたら、下のコメント欄で教えてください。お願いします。

『猫は・・・』シャム猫ココシリーズ まとめはこちら

ブラウン『猫はクロゼットに隠れる』

ブラウン『猫はクロゼットに隠れる』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『猫はクロゼットに隠れる』
『猫は・・・』シャム猫ココシリーズ

  • 著:リリアン・J・ブラウン Lilian Jackson Braun
  • 訳:羽田詩津子(はた しづこ)
  • 出版社:早川書房 ハヤカワ文庫
  • 発行:1997年
  • NDC:933(英文学)アメリカ長編小説
  • ISBN:4150772142 9784150772147
  • 328ページ
  • 原書:”The Cat who went into the Closet” c1993
  • 登場ニャン物:ココ(カウ・コウ=クン)、ヤムヤム、、オー・ジェイ、リグリー
  • 登場動物:

 

 

著者について

リリアン・J・ブラウン Lilian Jackson Braun Bettinger

1913年6月20日 – 2011年6月4日。アメリカの推理作家。
10代の頃から約30年、新聞社に勤務。
1962年、飼い猫のシャム猫がマンションの10階から突き落とされて殺された怒りと悲しみを忘れるために、記者業の傍ら執筆した短編「マダム・フロイの罪」(原題:The Sin of Madame Phloi)が『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』6月号に掲載され作家としてデビュー。エラリー・クイーンに「もっと猫の話を書くよう」勧められたことから、ココ・シリーズが生まれたという。
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ブラウン『猫はクロゼットに隠れる』

7.5

猫度

7.0/10

面白さ

7.0/10

猫活躍度

8.5/10

猫好きさんへお勧め度

7.5/10

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