リリアン・J・ブラウン『猫は島へ渡る』

ブラウン『猫は島へ渡る』

 

島で、ドミノゲームに興じる天才猫。

その島は、北の湖の中にひっそりと浮いていた。
地図上は「洋梨島」と出ていたが、本土の人間は「朝食島」と呼び、古くからの島民は「神の島」と呼び、そして、そこに別荘を建てた億万長者たちは「グランド・アイランド」と呼んでいた。
もともとは文明から取り残されたような島だった。
島民たちは、昔ながらの生活を守って、ひっそりと暮らしていた。

そんな島がリゾート開発され、大々的に宣伝されることに!

クィラランは内心、面白くない。
なぜなら、彼は古き良き時代の島の方が好みだったからだ。
しかも、リゾート開発には、彼の資産から作られたクリンゲンショーエン基金がおおいにかかわっていたのである。
クィラランは、基金の使い道については、いっさいノータッチを通してきた。
基金は、慈善事業や公共事業のほか、新事業を立ち上げたいピカックス市民に低利子で融資も行った。
その結果、島には新しいホテルといくつものショップが並ぶことになったのだ。

ニックとローリの夫婦が、島で民宿を始めたのは、開発騒ぎの直前だった。
まさか直後にこれほど急激な変化がおこるとは思っていなかった。
しかもつぎつぎと、何やら怪しげな事件が島を襲う?
ニックはクィラランに相談し、クィラランは元敏腕新聞記者の好奇心で、猫たちを連れて、2週間ほど島に滞在してみることにする。

島で、クィラランは何人ものユニークな女性と出会った。
いくつもの資格を持っている放埓な音楽教授。
北のはずれの小さな島にはあまりに不似合なアンティークショップオーナー。
素朴でたくましい島の娘。
人魚みたいな、浮世離れしたお嬢様。

その間にも、また不審な事件がおこった。
それらは偶然の事故なのか、それとも、・・・陰謀や計画殺人なのか?

*****

シャム猫ココ・シリーズの舞台・ピカックス市は、「どこからも400マイル北」にあるムース郡の田舎町。
モデルは、ミシガン州ヒューロン郡バッドアックス市だそうです。
ということは、物語に出てくる湖はヒューロン湖、別荘地「ムースヴィル」のモデルは「ケースヴィル」かな、なんて推定しながら読むと面白いのです。
ですから、当然、この「洋梨島(朝食島?神の島?)」のモデル島を探したのですが、ヒューロン湖にそれらしき島はありませんでした。
物語の設定よりはるかに小さな島ならあるのですが。
どうやら、洋梨島(朝食島)は、架空の島のようです。
残念。

だってね。
この島には、多数の野良猫がいるんです!
猫だらけな島。
日本にもありますよね、猫だらけな猫島。
中でも有名なのが、宮城県の田代島。
猫で島おこししたばかりか、東北大震災で壊滅的な被害を受けた時も、猫の手を借りて寄付を募集したところ、わずか3か月で目標金額に達したのでした。
すばらしい猫パワーだニャン!

あ、でも、野良猫たちは、事件解決には何にも協力しません。
そして、ココの能力は、ますます冴えわたります。
もうほとんど、神がかり的です。
・・・野良猫たち、役に立っていないようで、実はココ、アンテナのように他の猫たちの能力もかき集めていて、だからあれほどすごい能力を発したのでしょうか。
にゃんてね。
にゃはは。

それにしても、高圧的で支配的な毒母って、どこにでもいるんですねえ。
やだやだ。

ところで、ジム・クィラランの本名?が判明しました。
マーリン・ジェームズ・クィララン、というのが、生まれたときに付けられた名前だったそうです。(page261)
マーリンという名前がいやで、大学生の時に、ジム・マッキントッシュ・クィラランと改名したらしい。

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ブラウン『猫は島へ渡る』

ブラウン『猫は島へ渡る』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『猫は島へ渡る』
『猫は・・・』シャム猫ココシリーズ

  • 著:リリアン・J・ブラウン Lilian Jackson Braun
  • 訳:羽田詩津子(はた しづこ)
  • 出版社:早川書房 ハヤカワ文庫
  • 発行:1997年
  • NDC:933(英文学)アメリカ長編小説
  • ISBN:4150772150 9784150772154
  • 331ページ
  • 原書:”The Cat who cte to Breakfast” c1994
  • 登場ニャン物:ココ(カウ・コウ=クン)、ヤムヤム、島の野良猫たち
  • 登場動物:馬

 

 

著者について

リリアン・J・ブラウン Lilian Jackson Braun Bettinger

1913年6月20日 – 2011年6月4日。アメリカの推理作家。
10代の頃から約30年、新聞社に勤務。
1962年、飼い猫のシャム猫がマンションの10階から突き落とされて殺された怒りと悲しみを忘れるために、記者業の傍ら執筆した短編「マダム・フロイの罪」(原題:The Sin of Madame Phloi)が『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』6月号に掲載され作家としてデビュー。エラリー・クイーンに「もっと猫の話を書くよう」勧められたことから、ココ・シリーズが生まれたという。
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ブラウン『猫は島へ渡る』

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7.5

猫度

7.0/10

面白さ

6.5/10

猫活躍度

9.0/10

猫好きさんへお勧め度

7.5/10

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