『イヌ+ネコ 家庭動物の医学大百科』

『イヌ+ネコ 家庭動物の医学大百科』

 

猫飼い主なら必携の本(犬飼い主も)。

本の縦横はいわゆる大学ノートサイズ、しかし、厚みは4センチもある。
755ページの大きくて重い本である。
本体価格3800円+消費税という価格だが、これ1冊あれば、イヌ・ネコ・フェレット・ウサギ・ハムスター・セキセイインコの病気が読めるし、内容を考えれば、すごく安い本だと思う。
(獣医学専門書があまりに高すぎるという説もあるだろうけれど。)

買って絶対に損はないと思います。
お勧めです。

●第1章 イヌとネコの体のしくみ

図がメインの章。イヌとネコそれぞれ全身像や臓器の図。骨格、筋肉と靱帯、心臓と血管、神経系、リンパ管、感覚器の説明など。

『イヌ+ネコ 家庭動物の医学大百科』

『イヌ+ネコ 家庭動物の医学大百科』

●第2章 動物を飼うための基礎知識

約100ページにわたって、犬猫を迎えるための基本中の基本的知識が書いてある。用意するもの、ワクチンについて、手入れの仕方、等々。

良いと思ったのは、品種(イヌ48種ネコ12種)のごく簡単な説明のほかに、その品種のかかりやすい病気が書いてあること。

犬猫の出産についても当然記述されているが、「一般飼い主は産ませるべきではない」という姿勢がかなり色濃く出ているのが良い。「繁殖させるべきでないイヌとネコ」という表や、難産や先天性異常のことなど、出産は大変なことなんだぞという気持ちが伝わってくる。

また、面白いと思ったのは、「ネコは単独でも集団でも生活できる」と紹介されていること。
今までのこういう本はたいてい「ネコは単独生活」と決めつけていて、私はいつも「けっこう集団生活もできる動物なのに」と思っていた。それがこの本では「集団でも生活ができる」とちゃんと書いてあって、なんだかホッとした。

●第3章 病気が疑われる症状とそのケア

約100ページ。いろいろな症状と、その考えられる主な病気など。

●第4章 病気と治療

約450ページ。様々な病気の説明。とても詳しい。

残念ながらこの本もイヌが主でネコは従という印象を免れない。さすがに「泌尿器系の疾患」の章では「ネコの突発系下部尿路疾患」について約1ページを割いているけれども。
とはいえ、一般用の本としては「もっともくわしいネコの病気百科」を抜いて、この本が一番詳しい本となった(高額な獣医学専門書を除く)。
ただし、前述のように、イヌが主。同じ病気なら、イヌもネコも似たような症状だとはいえ、イヌのことばかり書いてあると、「うちの子はネコなのよ、ネコはどうなの」と問いたくなるのも事実。

またこの本は、あまり多くはないとはいえ症例写真も掲載している。
写真がある方がわかりやすくて良いという人は多いと思うが、その一方、恐くて見られない、夜うなされるという人もいるだろう。
写真が恐い人は「もっともくわしいネコの病気百科」の方を買って下さい、あちらは恐い症例写真はありません。平気な人はこちらの本の方が詳しくて良いと思う。

イヌ・ネコの病気に続き、「エキゾチックアニマル(フェレット、ウサギ、ハムスター、セキセイインコ、カメ)の疾患」、「野生鳥獣の救護と疾患」という章もある。
猫好きは一般に動物好きでもあるから、何かと役立つかもしれない。

●第5章 目で見る医療の最前線

25ページ。カラー写真で最新の医療機器などが説明されている。

*なお、私が持っているのは旧版、今は新版が出ています。

(2006.10.22)

『イヌ+ネコ 家庭動物の医学大百科』

大きな本です。画像や写真も多いです。

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『イヌ+ネコ 家庭動物の医学大百科』
イヌ・ネコからフェレット・ウサギ・ハムスター・小鳥・カメまで

  • 監修:山根義久
  • 編集:財団法人動物臨床医学研究所
  • 出版社: ピエ・ブックス
  • 発行: 2006年
  • NDC : 649(獣医学)
  • ISBN : 4894444720
  • 755ページ
  • 登場ニャン物 : -
  • 登場動物 : -

 


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『イヌ+ネコ 家庭動物の医学大百科』

9.8

猫度

10.0/10

お役立ち度

9.8/10

情報度

9.8/10

おすすめ度

9.5/10

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