夏目鴎外『猫と私 老医の介護体験』
男性も若いときから家事に親しむ方がよいという実例!?
著者は、副題通り、年配の医者(人間の)。
で、介護したのは、18歳の猫と老妻。
ある日妻が突然単身赴任してしまう。
著者はあわてる。
家事なんてしたことない。
まして猫たちの世話なんて、どうしてよいのかわからない。
そもそも著者は「犬派」なのだ。
猫なんて・・・
とかいいつつ、猫に話しかける時はもちろん、独り言や寝言まで猫語でニャーニャーいっている著者は立派な猫大好き人間です。
医者という、肉体的にも精神的にも大変な職業につきながら、猫たちのことを懸命に世話している。
人間の診療をしている間も猫たちのことが頭から離れない。
いいなあ、こんなお医者様♪
なんたって、医は仁術を地でいってらっしゃいますからね。
名医であること間違いなし。
老猫のミミは19歳でいってしまった。
老妻(というほどの年齢ではありませんが)は、著者に介護されてまた元気になるとさっさと単身赴任の職場へ戻ってしまった。
子供達もすでに独立している。
著者の横に残ったのは「駄猫」チャコのみ。
このチャコちゃん、どうしようもない猫として描かれているけれど、「おしゃべりで」「くいしんぼうで」「マイペースで」「でっかくて」「とにかく人にかまってほしい」なんだ、典型的な去勢済み茶トラ雄じゃん。
大好きです、こういう猫ちゃん。
(2005.12.20)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『猫と私 老医の介護体験』
- 著:夏目鴎外 (なつめ おうがい)
- 出版社:日本図書刊行会
- 発行:2003年
- NDC:914.6(日本文学)随筆、エッセイ
- ISBN:4823106202
- 147ページ
- 登場ニャン物:ミミ、チャコ
- 登場動物:-
目次(抜粋)
- 1.独居老人体験記
- 2.老猫介護体験記
- 3.老々介護体験記
- あとがき