沼田朗『なぜ猫は可愛いか』

あにゃたは、何問正解できるかにゃ?
見開きの、左ページがクイズ、ページをめくって右ページが答えと解説、という形式になっている。
例えば、
「猫・犬・人。いちばん耳がいいのは?」
「どの味がいちばんよくわかる? ①甘み ②酸味 ③苦み ④塩辛味」など。
最初の答えは、猫。
低音は犬・猫・人間ともあまり差がないが、高音では、人間が1万2千~2万ヘルツ、犬は3万5千~6万5千ヘルツに対し、猫は6万~6万5千ヘルツ、説によっては10万ヘルツまで聞き取れるそうな。さらに、小さな音を聞く能力、どこで音がしたのかを正確に判断する能力(距離・高低差など)、たくさんの音の中から特定の音だけを拾い取って聞く能力、なども猫は人間や犬よりはるかに優れているという。
2番目の答えは、(2)の酸味。なぜなら、猫は肉食獣だから。腐った肉を間違って食べないよう、酸味が発達したのだとか。
おもしろいのは、クイズ形式をとっていながら、選択肢の全部が正解だったり、あるいは正解がわからない問題が、少なくないということだ。
答が「全部正解」、「じつは、正解はない」、「どうも×のようである」「正確なところはわからない」等々。
この、よくわからないところこそ、猫の魅力のひとつなのだから、著者も、自分で問題をつくっておきながら、堂々と「わからん!」と答えてかまわないのでしょう。
著者まで猫っぽくて宜しい哉!
(2002.4.10)

沼田朗『なぜ猫は可愛いか』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『なぜ猫は可愛いか』
「ネコ語」に強くなる本
- 著:沼田朗(ぬまた ほがら)
- 訳:姓名(ひらがな)
- 出版社:祥伝社ノン・ブック(新書)
- 発行:平成4年(1992年)
- NDC: 645.6(畜産業・家畜各論・犬、猫)
- ISBN:4396103298
- 228ページ
- 登場ニャン物:
- 登場動物:
目次(抜粋)
- まえがき
- 1章 猫と話そう
〔身体・表現クイズ〕体の仕組みと、猫の言葉を理解できるか- PART 1 猫身体クイズ
- PART 2 猫表現クイズ
- 2章 隠れた野生と生態の謎
〔習性・生態学クイズ〕猫遊びのルーツから、虎との違いまでの疑問- PART 1 習性クイズ
- PART 2 生態学クイズ
- 3章 猫の歴史と伝説を探る
〔日本猫史・宗教・迷信・伝説・言葉クイズ〕こだいからの面白猫話- PART 1 日本猫史クイズ
- PART 2 猫宗教クイズ
- その他
- 4章 つき合いのウソ・ホント
〔飼い方クイズ〕これだけ知れば、猫が喜ぶ