赤川次郎『三毛猫ホームズの卒業論文』

一見、まったく偶然で無関係に思えた連続殺人。
卒業論文を仕上げたばかりの男子大学生が刺された。
発見したのは、一緒に論文を書いていた(というか、主に書いていた)女子大学生。
結婚式場に女が飛び込み、花嫁をナイフで狙った。
しかし、刺されたのは、とっさに彼女を庇った友人。その友人は、例の、恋人を刺された女子大生でもあった。
そして、花嫁と晴美は、古い友人同士でもあった。
晴美がかかわってくるとなれば、当然、事件はどんどん発達(?)して・・・!
* * * * *
片山義太郎は、警視庁捜査一課の刑事。30手前の独身男。
妹の晴美と一緒に住んでいる。晴美は現在、無職。
石津刑事は目黒署所属、自称・晴美の恋人。晴美の忠犬みたいな存在だ。
そして、ご存知、三毛猫ホームズ。誰よりも賢く、誰よりも勇敢なスーパーキャット。
猫が探偵として、人間以上の推理力で大活躍する時点で、すでに現実離れしているのだけれど。
今回のお話は、さらに現実離れしちゃっていて。
途中までは、それでも、まあ普通なんだけど。
謎の超美女(私のイメージでは女優の菜々緒さん・・・笑)が出現。
こともあろうに、あの栗原課長(義太郎の上司)に、モデルになると自ら申し出る。
栗原画伯などとおだてられて、課長もすっかりその気に。
いざ、その美女の自宅に訪問したら、そこがまた、現実離れした超々大金持ち!
・・・は、まあ、良いとして。
この結末はちょっとねえ?
後出しがすぎるような・・・
ホームズちゃん、今回は色々な鳴き声を披露してくれました。
ニャン、ニャー、ニャーッ!、ギャーはいつも通りとして、「カーッ」という鳴き方は初めてですニャ?
それから、久しぶりの「ニャーゴ」「ナーゴ」も。
最近は「フニャ」もけっこう言いますね。
それから、登場人物のある女性も猫を2匹飼っているそうで。
ま、ただ話題の流れで「飼っている」と出てくるだけで、その猫たちはまったく登場も何もしませんけれど。
ところで、義太郎の高所恐怖症。克服されつつあるのかな?
この作の少し前では、単純な勘違いだけで、6階の外壁に取りつけたし。
今回はもっと高いところから降りられたし。
女性恐怖症と、アルコールの弱さは、相変わらずのようですけれど。

ホームズのお顔の色分けはできていますが、・・・前脚は、片方は真白なのです。残念。

赤川次郎『三毛猫ホームズの卒業論文』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『三毛猫ホームズの卒業論文』
- 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
- 出版社:角川文庫
- 発行:2017年
- NDC:913.6(日本文学)推理小説
- ISBN:9784041057506
- 312ページ
- 登場ニャン物:ホームズ
- 登場動物:-