飛鳥昭雄『恐竜は哺乳類だった!』
副題『くつがえる科学の定説』。
NHKスペシャル『恐竜VSほ乳類-1億5千万年の戦い』を紹介したので、あわせてこの本も(^_^;)
というのも、この本の中でなんどか上記NHK恐竜について触れているから。
まず最初にとくとお断りしておかなければならないのは、この本の著者・飛鳥昭雄氏は自ら「サイエンス・エンターテイナー」を称する御仁だということ。
「サイエンス・ライター」ではない。
エンターテイナーである。
つまり、
科学とタレントを兼ねた立場で仕事をする職という意味だ。ざっくばらんに言えば「科学芸人」ということだろうか。
要は楽しく科学で謎を解きたいので名づけた職業ということだ。
科学者でないのでしがらみはなく、学者なら言えないことでもタレントのように公表できる。
(p.248)
読者も当然、科学芸人の言葉として読まなければならない。
そして、どれほど無茶苦茶な事が書いてあっても、芸人の芸として笑い飛ばさなければならない。
しかし笑い飛ばすにはそれなりの基礎知識を持っていなければならないのも事実で、でなければ、どこが可笑しいのかわからないだろう。
つまり、この本は、知的エンターテインメイトとも言えるのだ。
「最近、脳が凝り固まっているなあ」なんて自覚のある人は、こういう本を読んで、頭の中をグニャグニャ、マッサージしてもらうと良い。
定説が次々と覆される。
しかし「そんな馬鹿な、くだらない!」なんて怒るようでは修行が足りない。
「へえ、そんな解釈も可能なのか」と素直に感心しよう。
そして楽しもう。夢見よう。
下手な娯楽映画より、はるかにワクワクな光景が見えてくるはずだ。
内容は聖書から謎の惑星までと、広範囲に渡っているのだが、古代生物に限って拾ってみると、たとえば・・・
曰く、恐竜は爬虫類とも鳥類とも関係なく、哺乳類である!あのステゴザウルスもおそらく全身にフサフサと毛を生やしていた!
曰く、恐竜は6500万年前に滅びたのではない、4500年前まで生きていた!
曰く、恐竜と人類は共存していた!使役動物やペットとして飼われたり、恐竜のステーキもあった!
曰く、4500年前以前の古人類は数百年~千年の寿命を誇っていた!
曰く、恐竜が滅んだのは、ノアの大洪水の際に箱舟に乗せて貰えなかったからだ!
曰く、冷凍マンモスが発見されるのは、もともとマンモスは暖かい地方の動物だったが、地球の大異変で陸ごとシベリア等に運ばれ、極寒の中で肺の空気が瞬間冷凍し窒息死したからだ!
曰く、進化論は虚構!今いる動物たちは大昔から今の姿のままで存在していた!
その他、その他。
これらのことを、“科学”の名において、“科学的”検証を並べながら、“科学的”に次々と解説しているのである。
いやぁ、面白かった!
けれども、ヨシモ○芸人等の、見るからに馬鹿馬鹿しくアホらしい芸があれほどの笑いと人気を呼ぶのは、その中に一抹の真実が隠されているからだ。
この本を読んで、もしアナタが大笑いしたら・・・
それは、本のどこかに、思いがけない真実が隠されていることに本能的に気づいたからかも知れませんぞ?
(2009.12.17)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『恐竜は哺乳類だった!』
くつがえる科学の定説
- 著:飛鳥昭雄(あすか あきお)
- 出版社:徳間書店 5次元文庫
- 発行:2008年
- NDC:457(古代生物、化石)
- ISBN:9784199060298
- 249ページ
- カラー口絵、モノクロ挿絵
- 登場ニャン物:-
- 登場動物:古代生物
目次(抜粋)
まえがき
プロローグ
第1章 なぜ恐竜は爬虫類にされてしまったのか!?
恐竜化石の最初の発見から誤解(恐竜=爬虫類)がはじまった、他
第2章 体毛のついた小型肉食恐竜の発見!
愚鈍な爬虫類という古い恐竜の概念、他
第3章 地球史再考―人類と恐竜の共存を示す遺物の発見!
アカンバロの恐竜土偶が教えてくれる真実の地球史、他
第4章 大カタストロフィを生き延びたのが水棲生物だけなのはなぜか!?
恐竜絶滅の本当の理由は?、他
第5章 化石はあっという間にできる―年代測定法の崩壊
トンネル工事の際中に翼竜が生きたまま現れた!、他
第6章 恐竜絶滅の本当の原因
恐竜絶滅の犯人は「ノアの大洪水」、他
第7章 ノアの大洪水をひき起こした犯人「天体M」を探せ!
聖書の記述の正しさを証明する箱舟は本当に発見されていた!、他
第8章 宇宙は過去も未来も安定しているという「斉一論」の終焉
破壊された第5番惑星フェイトン、他
第9章 恐竜、大陸移動、ポールシフト、大洪水―全ては一つの出来事で説明できる!!
超高速の大陸移動の記録、他
第10章 進化論は“空論”である!
現代に姿を見せた翼竜、他
あとがき