三津谷美也子『人の生き方を変えた猫 ひふみ(一二三)』

副題『片側2本足だけで生きる恩返し』
私(ねこほん管理人)は2018年7月、路上に横たわる瀕死の子猫を発見しました。
最初は死んでいると思ったのです。ところが、近づいたとき、口が動きました。まだ生きていると気づいた次の瞬間には、何も考える前に駆け寄って手のひらに乗せていました。
拾い上げて、ぎょっとしました。
子猫の右前肢は千切れて無くなっていました。さらに脇腹も大きく裂けていました。恐ろしい傷でした。
動物病院へと車を飛ばしながら、私は半ばあきらめていました。この傷ではこの子は助からないだろう、病院までも持たないかもしれない、と。
その時、思い出したのが、この本。「そうだ、あの一二三ちゃんだって助かったんだ」この子猫だって助かるかも!必死に祈りました。
この本の主人公(主猫公)の一二三ちゃんも、交通事故で倒れているところを保護されました。事故で肢を失いました、それも、2本も。それでもたくましく生き延びたのです。
この本は、保護直後から1年ほどの、一二三ちゃんの実録です。
私が知ったのは、拙掲示板への書き込みからでした。
【推薦:cast様】
本の帯にはドキュメンタル童話とありました。
「小学校中学年以上向き」の本です(^^;子猫だった一二三君は車に轢かれ美也子さんと出会い助けられます。
片側前後の足は砕け切断するしかなく、命が助かっても歩く事は出来ないかもしれないと思われ、美也子さんも「安楽死」の事が頭によぎりました。
しかし、ずっと寝たきりかもしれないと思ったにも関わらず、まずふすまに寄りかかって立ってみせ、すこしづつ自分で歩く練習をしてやがて一人でトイレを使えるようになり、階段の上り降りどころか、お父さんが大事にしている伝書バトを仕留めるまでになります。片側の手足が無い事を悲観せず、やってみたいことは諦めずに挑戦し、色んな悪戯もしてみたりと幸せそうな一二三くんに、私も生きる勇気をもらったような気がします。
この本、子供向けなだけあってあっという間に読めます。立ち読みだけでもザザザーっと斜め読みでいけるかも?
ただし、涙と鼻水にご注意を!(笑二本足の一二三君は、数年前にTVで観たことがありまして、小走りすると二本足だってことが一瞬わからないくらい器用に歩いていました。勢いあまってパタンと横倒しになったりして「あぁ、かわいそうに・・」と思うのですが、すぐまた走り出してオモチャにタックルしたりと元気で明るい姿に感動し「かわいそう」と思うこと事態失礼な事だよねぇと思ったものです。
だから(私も新聞の広告欄でみつけたのですが)すぐに注文してしまいました。
児童書であった事は気付いていませんでしたが(汗
(2005.5.30)
そして♪
私が保護した子猫も、助かりました!大きな怪我は、右前肢切断、左前肢手首の骨折と切り傷2か所、尾の先端もつぶれて骨折(その後最先端の関節から脱落)、右脇腹にの5針の裂傷。これら以外にもさらに、左腰に大きめの傷、顎・左肩・尾の付け根にも傷という、それは悲惨な怪我でした。
が、命は助かりました!
もう、今はすっかり元気です。下の方に写真などを載せますので、どうぞ見てやってください、。
著者は最後の方でこう書いています。
生きていること自体が一二三からの恩返しで、わたしは毎日「生きる勇気」をもらっています。
page142
私も同じ気持ちです。
虎太郎と名付けた子猫、この子が生きているだけで、私も勇気をもらっています。
最後に皆様にお願い。
もし、路上に横たわっている猫を見つけてしまった場合、・・・もしどれほどひどい状態であったとしても、見捨てないでください。どうか助けてあげてください。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『人の生き方を変えた猫 ひふみ(一二三)』
片側2本足だけで生きる恩返し
- 著:三津谷美也子(みつや みやこ)
- 画:さの あきこ
- 出版社:ハート出版
- 発行:2001年
- NDC:913.6(日本文学)小説
- ISBN:4892955132 9784892955136
- 142ページ
- モノクロ
- 登場ニャン物=一二三(別名クロ)/先住猫 チャペ/一二三とケンカした黒猫
- 登場動物:カラス、犬
私が保護した子猫、虎太郎。生きているのが不思議なくらいの怪我でした。
虎太郎と、先住猫のお兄ちゃんたち。本当の兄弟みたいに仲良しになってくれました。
もうすっかり家族の一員です。
ひふみ とっても感動しました。
素晴らしい本でした!
ありがとうございました(>_<)
コメントありがとうございます。
ひふみちゃん、すごいですよね。
現状をそのまま受け入れてひたすら生きていく姿に感動します。