夏目漱石『吾輩は猫である』
日本で最も有名な猫。
これを猫本の筆頭にあげるとはなんと安直な、との誹りを受けるかもしれん。しかし、我が日本において猫の本といえば、やはり第一にあげられるべき名著であることには間違いないのだからやむをえない。
兎に角、まずは、その書き出しからしてあまりに有名である。漱石の‘そ’の字さえ知らぬ無学漢とて最初の二行を知らぬ者はまず日本人にはおるまい。
それから、名もない猫が吾輩ぶるところが実に愉快である。
更に、全体を覆う軽妙な語り口が痛快である。
また、登場人物の皆楽天的で飄逸な事といったらどうだ。このような呑気な逸民が明治の日本を飄々と闊歩していたのかと思うだけで胸がすくような気がする。
内容については今更説明するまでもなかろう。
日本人なら読みなさい。日本人でなくても読みなさい。
これを知らずして近代日本を如何で知る事あらんやである。
・・・と
あまりに有名過ぎて、私ごときが書評ぶる気にもなれず、
文体を少々真似てみて、退散。
(2002年4月10日)
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『吾輩は猫である』
- 著:夏目漱石(なつめ そうせき)
- 出版社 : 新潮社 新潮文庫
- 発行年 : 1961年
- 913.6(日本文学) 長編小説
- ISBN : 9784101010014
- 610ページ
- 登場ニャン物 : (名前はまだ無い)、車屋の黒、三毛子、白
- 登場動物 : 蟷螂君(とうろう=カマキリ)
目次(抜粋)
- 本編
- 解説(伊藤整)