Pollard『The Encyclopedia of The Cat（猫の百科事典）

1000枚の写真、分厚い本。

英語の本ですが、絵や写真が多く、見ているだけでも楽しい本です。

28cmｘ22cmと大きくて重く、立派。飾りとしても、ギフトとしても、たいそう見栄えのする本です。もちろん読みたい人はどうぞ読んでください。たっぷり読みでがあります。

本の内容は、猫の体の構造や修正、世話の仕方、健康管理、猫史、猫の分類、それからお決まり血統書品種の紹介、など。

非常に気になったのは、A Cat’s Life の章の次の一文。

“The life expectancy of a typical domestic cat is from 12-15 years,
although many survive to late teenage, a few live into their twenties,
and ages of 34 and even 43 are on record.”
（普通のイエネコの平均寿命は12～15年だが、10代後半まで生きる猫は多いし、中には20代まで生きる猫もいる、さらに、34歳とか、なんと43歳という記録もある＝以上、管理人訳）
page18

この最後の年齢に驚いてしまった。

34歳の方はわかる。ギネスブックで公式に認定されたグランパという猫さんは34歳2ヶ月だったそうだし、平岩米吉氏の報告に寄れば、日本のよも子ちゃんはそれより長く36歳半まで生きたそうな。

が、43歳の猫さんって？

Pollard『The Encyclopedia of The Cat（猫の百科事典）』

それほどの長寿は聞いた記憶がない。本当に43歳まで生きた猫がいたの？どこのどんな猫さん？何を食べどんな生活をしていた子？

残念ながら、この43歳の出典や根拠が何も書いていないので、上記文章以外の事は何も分からない。どなたかご存じの方がいらしたら、ぜひぜひ、教えで下さい。お願いします。

【（注）その後2006年版ギネスブックには、J.Perryさんの愛猫、Creme Puff ちゃん　37歳6ヶ月　(アメリカ）という記述があり、しかも本の執筆時はまだ生存中！
その後、ネットの情報では38歳と3日で亡くなったようですが、最新版ギネスブックを購入していないので、印刷物による確認はまだできていません。(追記2008.3.23.)】

他に面白いと思ったページは、ジャパニーズ・ボブテール種の紹介ページ。三毛が一番の人気毛色とワン・パラグラフを使って説明していながら、４枚ある写真はすべて赤斑（茶斑）の猫さん。三毛のモデルが見つからなかったのでしょうか？

Pollard『The Encyclopedia of The Cat（猫の百科事典）』

全体的にみて感じたのは、大人猫の写真が多いと言うこと。特に品種紹介ページはほとんどが大人猫で、好感を持てた。これは当然そうあるべきで、体つきとか、色模様とかが確定する大人猫こそ、品種紹介のモデルとするべきなのである。

にもかかわらず、日本の本や特に雑誌は、うんざりするほどの子猫オンパレード。
そりゃ子猫はかわいい、でも、子猫なんてせいぜい生後1年までだよ？のこりの平均10数年、この本の長寿記録に寄れば42年間は、大人体型の大人猫なんですよ？黄色人種と白色人種を説明するページで赤ちゃんの写真だけ載せていたら説明にならないのはわかるでしょう。それと同じで、猫の品種説明で子猫の写真ばかり載せても意味ないんですけれど。

日本の出版社さん、子猫崇拝から早く卒業しましょうね。

（２００５．６．２８）

Pollard『The Encyclopedia of The Cat（猫の百科事典）』裏側

大きくて分厚い本です