マグダ・レーヤ『きみは猫である』
幼い男の子の家で、子猫が4匹も生まれた♪。
まずは掲示板の推薦文のご紹介から。
【推薦:yukiyo様】
20年位前に 買ったんですが、和田誠さんの挿絵があまりにも可愛くて、 ずっと手放さずにいます。
お話は ワルシャワに住む7歳の男の子の家に、とつぜん現れた1匹の猫が、あんまりいごこちがよくて、子猫を産んでしまい、 その男の子が 一生懸命世話をしながら子猫と共に 成長していくっていうものです。
猫の可愛さは いつの時代にも どこの国でも 同じなんだな~って 思いました。
古い本なので 今はもう絶版になってるかも知れませんが・・もしよかったら 猫本の仲間に入れてくださいね。
(2002.5.16)
全編、男の子のモノローグの形です。幼い男の子と生まれたばかりの赤ちゃん猫たち。男の子はまだ、アルファベットをいっしょうけんめい覚えている最中の年齢で、bとdのふくらみがどちら側かとか、筆記体で書く場合の大文字のMと小文字のmのバランスが難しいとか、そんなレベルです。ワルシャワという大都市ののっぽのビルの6階に住んでいます。
そのママ猫、名前は「ムル」というのですが、猫なのに平然とエレベーターに乗って、当然のような顔をして男の子の家にやってきました。そしてその日のうちに子猫を4匹も生んでしまったから、さあ大変です。
男の子は、純真無垢な眼で、赤ちゃん猫たちを観察します。成長していく様子を、ことこまかに語ります。子ねこ、今日はこれができた、今日はこんなことをした、猫のママはどうしたか、子猫はどう反応したか。幼い頭には、すべてが新鮮で興味深く、すばらしく楽しい出来事なのです。男の子のワクワク感が、読む方にも伝染しそうです。
子供のモノローグで、子供が喜びそうな内容で、絵も可愛いのですが、字は普通サイズですし(児童書みたいに大きくない)、漢字のルビも少なく、余白も大人用一般書籍と同じで少なく(改行やイラストは少ない)、つまり本の造りはあまり子供用とはいえないのです。小学校高学年の優等生なら喜んで読むかもしれませんが、どちらかといえば、大人が子供時代を懐かしんで読む本?子供を持つお母さんが、読者として最適かもしれませんね。ちなみに、本に出てくるお母さんも、良い母親だと思います。
ラスト部分は、幼い子供なら「え、どうして?」と憤慨しそうです。分別ある大人であれば、最初からそうなるだろうと予測できる結末なんですけれど。
yukiyo様も書かれている通り、古い本ではあり、今は中古でしか手に入らないでしょう。猫と子供と赤ちゃん猫が好きな女性にとくにおすすめ。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『きみは猫である』
- 著:マグダ・レーヤ Magda Leja
- 訳:米川和夫・左京久代
- 出版社:晶文社
- 発行:1974年
- NDC:989 ポーランド
- ISBN:4794918313
- 143ページ
- モノクロイラスト(カット)
- 原書:”Kot Pieciokrotny” c1971
- 登場ニャン物:ムル、黒ダイヤ(クロ)、王さま、メルセデス、アカ
- 登場動物:犬
きみは猫である