上野そら『わたしのげぼく』
くまくら珠美:絵。大の男も泣いてしまうかも?な、絵本
「わたし」は、かっこよくて、かしこくて、すばやいのが自慢。
それから、心外ながら、かわいいネコでもある。
性別はオスだ。
知的な猫にふさわしく「わたし」と言っている。
「わたし」には「げぼく」がいる。
始めて一緒に暮らし始めたとき、「げぼく」はまだ4歳だった。
げぼくはとても、どんくさい。
ごはんを食べるのも遅く、「わたし」のスピードにはぜんぜんついてこれない。
そのくせ、「わたし」の世話を焼きたがる。「わたし」も世話をしてやる。
ときがたち、どんくさい「げぼく」は、とても大きくなり、
「わたし」がこの家に来て、18年たった・・・・
ここで、
最初にウルっと来てしまいました。
だって、私のトロがまさに、18歳なのですから。
本の中では、どんくさいのは「げぼく」の方ですが、うちの猫、トロは、稀に見るどんくさい猫です。
18歳ともなれば、猫だってあちこち、体にガタが来ます。トロもヨタヨタです。月に何回か病院に通っています。
でも、どんくさいお陰か、死に急ぐこともなく、なんとか頑張ってくれています。
この本は、掲示板でyukiyo様にご紹介いただき、購入しました。
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本屋さんでふと手に取った猫本です。
ちょっとだけ立ち読み、のつもりが
絵本仕立てなので最後まで読めてしまいました。
色々思い出して泣けてきました。
何度も読み返したくなる本だと思います。
『うちにもどんくさいげぼくがいるにゃ~』
yukiyo様、2018/03/14
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そう、何度も読み返したくなる本。
だからこの本は、立ち読みには向きません。
できるだけ購入してくださいね。
そして、(誰も見ていないときに)、ハンカチ(かタオル)を用意して読み返してください。
くまくら珠美さんの絵もすばらしいです。
表紙の猫の、みるからに尊大そうな風貌。
『かれは、わたしのげぼくである。』と宣言するときの猫の、得意そうな顔。
ロボットおもちゃを見つけた目つきは面白く、それを壊すときの目つきは、うちのハナ(別名ブラックデビル)がおこったときのよう。(笑)
そして、最期に、だいすきなげぼくに抱かれて眠るわたし・・・
と、ここで泣いちゃった方。
まだあるんですよ。強力なダメだしが。というか、ここからが本番!
ご用心!
この絵本を読んで、あるアメリカン・ジョークを思い出しました。
私のお気に入りのジョークです。
犬「ヒトは、食べ物をくれ、家をくれ、遊んでくれ、毎日世話をしてくれる。ヒトこそ神なり!」
猫「ヒトは、食べ物をくれ、家をくれ、遊んでくれ、毎日世話をしてくれる。われこそ神なり!」
本の猫も、ジョークの猫と同じく、自意識過剰で尊大です。
自分の世話をしてくれる「げぼく」を見る目は、どこまでも上目線です。
神仏が愚かな群衆を見下すかのように。
でも、慈愛に満ちた上目線です。
慈悲深い神仏が愚かな群衆を見おろすときのように。
ある本も思い出しました。
ディー・レディー著『あたしの一生:猫のダルシーの物語』。
この本も、愛猫家なら号泣間違いなしの名著です。
もし未読でしたら、ぜひどうぞ。
ネコから見たら、ニンゲンってさぞどんくさく見えるだろうと思います。
でも、そのどんくさいニンゲンから見たって、トロよ、お前はどんくさい猫なんです。
猫とは思えないほど、どんくさい猫です。
だから、急ぐな。なにひとつ、急ぐな。
ゆっくり、ゆっくり、一緒に、どんくさいげぼくと一緒に、まだまだずっとあるいていこう。
ねえ、トロたん?
こんなに大好きなんだから。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『わたしのげぼく』
- 作:上野そら(うわの そら)
- 絵:くまくら珠美(くまくら たまみ)
- 出版社:アルファポリス
- 発行:2017年
- NDC:726(絵本)
- ISBN:9784434236310
- カラー
- 登場ニャン物:無名(わたし)
- 登場動物:-
以前注文していた「わたしのげぼく」の本が届いたんだ。不覚にもこの歳で泣いてしまった。迎える切ない別れ。わたしよりもおおきいくせに、みっともないぞって言う。ひとあしさきに、そらへついたら ながれぼしをひとつ、とってやろうでピークで泣いてしまった。
コメントありがとうございます。
愛を知っている人であれば泣きます、誰だって。年齢に関係なく。
本屋さんで見かけ わたしの風貌が我が家の猫に似ていたので読んでみました。性格も似ていると思いながら読んでいるうちにすっかり本の中へ入り込んでしまい読み終わった時泣いてしまってました。そして本を持ってレジへ。猫好きにはホントに心にしみるお話と思いました。
コメントありがとうございます。
本当に、心に染みる内容といいますか、猫好きなら泣いてしまいますよね。