書評:アラン『迷い猫』

アラン『迷い猫』

 

「私はねこになる ― ありきたりの恋愛よりも もっと深い愛があるから・・・」。

キャット・セラピストの女性が主人公の小説。

猫好きにしか書けない表現、猫好きにしか思いつけないストーリー展開、
・・・作者は間違いなく、かなりの猫好きなのだろう。

この小説は、猫好きとして、面白いと思った。
最後の方はかなり不気味ではあるが。

ミラは、あるハンサムな男性と恋に落ちる。
おきまりのコースをたどって、同棲するようになり、しばらくは幸せだった。

ところがそこへ不思議な猫が現れ、恋人同士の関係にひびが入り始める。
ミラの過去の秘密。
猫に対する異常なまでの執着。
ミラの特殊な性格。
ミラに思いを寄せるもう一人の男性。

なによりも、魅惑的で神秘的で美しい、白猫のパール。

パールと付き合っているうちに、猫とも口を利けるようになり、やがて・・・

わたしは猫?それとも人間?
(中略)
四つん這いになる。天井ははるかかなた。毛足の短いカーペットを蹴って、わたしたちは滑るように進む。
(後略)
page 318

次第に猫と同化していくミラ。

読みながら、
「私も下手すると猫と同化してしまうかもしれない、気を付けなければ」
なんてつい、思わずにはいられなかった。
が、内心、非常に共鳴するものもあり、・・・

少々、恐ろしい。

(2003.1.20)

アラン『迷い猫』

アラン『迷い猫』

アラン『迷い猫』

アラン『迷い猫』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『迷い猫』

  • 著:ヴィッキー・アラン Vicky Allan
  • 訳:樋口真理(ひぐち まり)
  • 出版社:角川書店
  • 発行:2001年
  • NDC:933(イギリス文学)長編小説
  • ISBN:4048970224
  • 358ページ
  • 原書: Stray ; c2000
  • 登場ニャン物:パール(ニリー)、ティブス(ティブシー、ティベリウス・マンパージャック)
  • 登場動物:-

 

著者について

ヴィッキー・アラン Vicky Allan

イギリス生まれ。ケンブリッジ大学で獣医学を学ぶが、ジャーナリストに転身。タイムズ紙をはじめとするいくつかの新聞社に勤め、現在はスコットランドのエジンバラで雑誌「スペクトラム」の論説委員を務める。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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アラン『迷い猫』

アラン『迷い猫』
8.5

猫度

9/10

面白さ

8/10

猫好きさんへお勧め度

9/10

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